押井守監督にはもっとこの手のものを
「ご先祖様万々歳」は特殊系アニメです
うる星やつらの時も思いましたが押井守監督にはこういった膨大なセリフの応酬で笑わせてくれるタイプのアニメをもっともっと作ってほしいです。監督の手法だと脚本の領域が平均的なアニメよりも重点が置かれている感じがうするので視聴者の脳も耳もフル回転モードで観賞すると良いでしょう。というのもあまりボーっとしながら見ていると置いていかることもあるかもしれないと思いますので。でもちょっと集中力を高めて見ているだけでOK.それだけで密度の濃さを堪能できます。
舞台喜劇風のアニメです
5章仕立てで舞台が章ごとに登場しますがキャラクター達は基本その舞台内でストーリーを進行させていくので舞台劇を見ている感じでしょうかね。かなり変わったアニメで最初は何だこりゃと思いましたが大成功です。声優さんもすべてベテランで演技が恐ろしく達者なレベルの方々ばかりなのでその点はこのアニメに置いてとてつもなく重要なポイントだったのではないでしょうか。確かにステージ内でうまくカメラアングルを切り替えたりして絵としても飽きさせない工夫はされていますが朗読劇的な要素もわずかながら入っていますので並の演技力の声優さんではこの作品を成立させるのは難しかったとつくづく思います。あえてうる星やつらキャストにしたんでしょうがイメージもダブらず見ることができましたよ。あと鷲尾真知子さんの演技ってちょっと変わっててこの作品のキャスト全体的にもそうですが演技に遊びの様な部分があるせいなのか妙なリアルさがあります。
こんな独創的なアニメはあまり類を見ない
流行とかファンを作りやすい主流を行くとかそういった流れを一切無視して作りたいものを作ったという感じがします。日常ドラマでありながら非日常空間でありアットホームな場所にいながらも家族のメンバーが突如敵の様な立場に変化、結局一家は離散したりとかいう何か全てが相反したものと常に重なり合っているというか皮肉がとにかくもの凄く多いですね。ただ物語的には結末は割と不可解です。ヒロインの麿子の目的は?何故、どうしてこういう方向に向かってしまった?みたいな意味不明なことが盛りだくさんです。そのわけの分からなさもシリア風とギャグ風の両方の路線が同時進行して笑えるわ、でも悲しいわでなんだかもう見ていると自分の心情さえも説明できなくなってしまうほどなんです。最終的に行きつく感想は「やっぱり至極面白かった」という結論にはなるんですがね。
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