老いを考える
ツンデレ!
誇り高く決して自分を金持ちだと思わないご婦人のデイジー。ある日車の運転を誤り自損事故を起こしたことで、息子のブーリーが黒人の運転手であるホークを雇うところから物語ははじまります。身近にいたら大変でしょうが、デイジーのツンデレっぷりが本当にかわいくてしかたなかったです。ちょっとずつデイジーとホークの距離が縮まっていく様子がとても良かったです。デイジーはただ頑固なだけじゃないのが良いですのよね。ホークとの相性が良かったというのもあるのでしょうが、根はとても優しいご婦人なんだろうなって思いました。墓へ行ったときに字が読めなかったホークに教えてあげたり、キリスト教徒じゃないんだからこれはクリスマスプレゼントじゃないっていいながらも字の書き方の本をくれたりとか(笑)古い映画ではあるのですが、今の時代にもわかるかわいいご婦人でした。
老いるということ
車のギアを入れ間違ったときから周囲はデイジーの老いを感じますが、本人は認めません。でもじつはすごくショックなことだったと自分自身で思っていると思います。かたくなに認めないのは、それを認め自覚してしまったらもっと老いるような気がしたのではないでしょうか。でもずっと元気な姿をみていたので、最後ある日急に認知症の症状がでてあれだけ綺麗に身なりを整えていたのにボサボサの頭で。映画とはいえやはりそういう姿をみるのはとてもショックでした。私も近所で幼い頃からずっと可愛がってくださった方が認知症だったため、どんどん変わっていってしまう姿にショックを通り越して恐怖を覚えたものです。そのときの記憶をこの映画をみて思いだしましたね。仕方のないこととはいえ、胸が締め付けられます。
今を大切に
この映画をみて思ったことは、今を大切にしようってことです。生き物全てにおいていつか必ず生きていればやってくる老いにどう自分が、そして周囲が向き合っていくのか本当に大事なことだと思います。私の両親だって今はまだ元気ですが必ず自分より先に老いがくるのです。そんなとき私はブーリーやホークのように笑顔で接し、逃げずに向き合えるか正直自信はありません。でもそのことをちゃんと考えようって思わせてくれるようなそんな良い映画でした。生涯一緒にいられる家族や友人を持つことが、どんなに心強いことか!そういう人たちとの出会いや過ごす日々を大切にしなくてはいけませんね。ホークとデイジーを演じている役者さんがとてもリアリティーのある演技でよりこの映画が素晴らしくなったと思います。
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