料理は愛情!
仕事と育児の両立
半年前に妻を亡くした教師・公平とその娘・つむぎの物語。
公平は妻亡き後、仕事に家事に子育てにと追われています。必死過ぎて亡き奥さんのことをゆっくりと偲ぶこともできないだろうと思います。
特に日頃家事をやりなてない男性だともう日々の生活をつつがなく送るだけでも相当大変です。料理も最初は挑戦したようだけど「見たこともないような」つむぎの表情(笑)を引き出してしまい早々に諦めてしまいました。
女性目線からみると何とか頑張って簡単のものでいいから作ってあげてほしいなと感じてしまいます。けれど料理経験が全くない人だと中々難しいですよね。子供はどんどんお腹を空かせて待ってはくれないのでじっくり練習する時間もないです。
子供に健康にいい栄養のあるものを食べさせてあげたいけど時間がない。共働きが増えた昨今、こういう悩みをもつ親は多いんじゃないでしょうか。
公平は仕事と家庭をなんとか両立させようと日々懸命に生きています。そんな父親の姿を幼いながらに感じとってお父さんが作った温かい料理を食べたくても我慢するつむぎ。健気で胸が締め付けられる思いでした。
そして、そのつむぎの本当の気持ちを知った公平は必死になって娘に美味しいご飯を食べさせてあげようと走ります。このシーンは公平の歯痒さやつむぎのいじらしさなど色んな想いが湧いてきて号泣しました。
家族で食卓を囲むということ
小鳥がぎこちない手付きで炊いたご飯。つむぎは白飯だけで食べているのに目を輝かせながら美味しそうに頬張ります。
子供って白飯だけで食べられる子って少ないですよね。たいていフリカケとか欲しがります。でも、つむぎは本当に美味しそうに食べてます。つむぎがどれだけ家庭料理に飢えていたのか伝わってきます。
白飯オンリーの食事と色々とオカズが入ったコンビニ弁当、豪華さでいったら後者が圧勝です。だけど、つむぎにとってはたとえ白飯だけであっても愛情こめて自分のために作ってくれて大好きなお父さんと一緒に食べるご飯がご馳走なんです。
家族で食卓を囲むというのは大切なことです。特に子供にとっては味なんてあんまり関係なくて、不味くたって笑い合いながら家族一緒に食事を楽しむことが重要なのでしょう。
愛情は最高のスパイス
この日以降公平はつむぎのために料理をし始めます。最初は下手で見た目はイマイチだけど、つむぎは美味しい美味しいと満面の笑顔でパクパク食べています。
味だけでいったら当然ファミレスなんかの料理の方が美味しいだろうけど、つむぎにとってはお父さんの料理が一番!お父さんの料理にはつむぎへの愛情がたくさん詰まっているのだから当たり前です。
愛情は一番の調味料とかよく言うけれど、この作品を読むとそれって確かに正しいなと感じます。
お父さんの料理を食べて、これからつむぎはどんなに可愛い表情を見せてくれるのかと楽しみで仕方ありません。
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