百万ドルの消え方が悲し過ぎますね(笑
海坊主が活躍しなーい!!
今作品において、海坊主の活躍が乏しいのが悲しいですね。海坊主というキャラクターは好感度高くて、好きな人は多いと思うのです。しかし、敢えてなのか、脚本やストーリーに絡ませることがなかったですね。「シティーハンター」の劇場映画やスペシャル放送アニメの中では珍しい作品といえるでしょうか。
海坊主が出てこないから、戦うシーンでは妙に地味な展開が多かったように思います。海坊主がいると、たいがいバズーカや爆発系の武器を用いて、ドカーン!ドカーン!という戦闘シーンが多くなりますものね。
今回も爆発系の武器をつかった敵は登場しますが、他の「シティーハンター」劇場映画やスペシャル放送アニメの中では珍しく派手さが感じられません。
そこは観ていて少し不満な部分ですね。
味方なのか敵なのか分からないヒロイン
金髪女性エミリーが、この作品のヒロインといえる登場人物でしょう。最初はリョウを狙っているような描写が多かったように思います。上司からエミリーにリョウの顔写真を渡される場面などはその象徴のように思います。序盤ではその場面があることで、エミリーがリョウを狙うのか?いつどのように本性を表すのか、という緊張感やドキドキ感が生まれます。
振り返ってみると、分かりやすいほどの「起承転結」で構成された物語構成・脚本でしたね。
またエミリーがリョウに惹かれない展開というのも、意外性を感じました。エミリーに恋人の存在を匂わせていたら、それもないかな、と思えるのです。しかしそんな描写や設定は一切ありませんので、シティーハンターならではの展開になっていかないことにも違和感を覚えました。
彼女自身の復讐を果たす為、といった脚本の仕上がりになっていたのではないでしょうか。ただ同様に、香もお兄さんを亡くしてしまった存在なので、香と絡ませることでストーリーに面白さや深みが加わったように思えて少し残念に思えてしまいます。
思いのほか、強敵だったダグラス
今思えば、遠隔・無人飛行させる存在やそれらを使ったギミックは、ドローンの先駆け的な存在ですよね。発表・公開されているのは20年以上も前のアニメ作品です。そう考えると、制作スタッフの先見性に凄みを感じさせてくれる作品に思えますね。
またシティーハンターにおいて、この手の遠隔操作や小細工をする敵役って、弱いことが多い気がするのです。しかしダグラスは意外と強かったイメージを持ちます。実際のダグラスVSリョウも一筋縄では片付かなかったように思えるのです。
これは、ダグラスが強いと考えるべきでしょうか。逆説的にリョウがいつもより弱かった、と考えることもできます。
しかしヒロイン、エミリーの下着を使った攻撃は笑えましたね。シティーハンターではお約束な展開ですが、反射的に反応してしまうリョウが何回観ても、パターン化されていても、やはり面白くて笑ってしまいますね。
冒頭からこの結末を予想できましたか?
実はエミリーのお兄さんを殺したのは、今のエミリーの上司というオチを予想できたでしょうか?
残念ながら、私には全然予想できなかったです。逆にいうと、一切その伏線がなかったように思うのです。強いて伏線があったのだとするとエミリーを誘き出すためにかかってきた電話だと思います。しかし、それは物語中盤・後半辺りのことで、それまで一切の伏線がないように思うのです。
だいたい、伏線を序盤に潜ませておくものだと思うのに、イジワルな構成ですね。それとも、私が気付いていないだけで、伏線として描かれていた場面などあるのでしょうか。
悲しい結末の百万ドル
おそらく百万ドルは、手に入らないだろうと予測していました。報酬として高すぎてしまうし、そんなハッピーエンドは迎えないだろう、というのはシティーハンターを知っている方なら容易に想像つきますよね。
中盤辺りのエミリーの正体が明らかになった時点で、ほぼゼロになったと思っていました。この展開であれば、報酬をもらえる結末にはならないだろうと予測してしまうのです。
これは制作スタッフの意図的な狙い、仕掛けと呼べるものだと思います。
実は冴子が出てきたことが、この結末の伏線になっていたのかもしれませんね。最後の最後まで、冴子が出てこなくても物語は差支えなく進行すると思うのです。しかし、敢えて登場させたのは、百万ドルの報酬もらえて良かったね。でも口止め料など根回しの為に消えていく、という悲しい結末を暗示していたのかもしれません。
そして追い打ちをかけたのが海坊主で、喫茶店の修理費、これまでのツケで、前払いしてあった報酬まで消えてしまう悲しくも笑えてしまうオチが待っています。
とてもシティーハンターらしいオチだと思います。
報酬が手に入らないことは予想していましたが、百万ドルという報酬が目の前にブラ下げられて、取り上げられるという展開を迎えるとは思っていませんでした。
ここのオチ・結末のために海坊主の出番は少なめで、活躍しなかったのでしょうか(笑
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