真の変態は視聴者である - 変態王子と笑わない猫。の感想

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変態王子と笑わない猫。

4.004.00
映像
4.38
ストーリー
3.88
キャラクター
3.75
声優
4.13
音楽
3.88
感想数
4
観た人
5

真の変態は視聴者である

3.53.5
映像
4.5
ストーリー
3.5
キャラクター
3.0
声優
4.5
音楽
4.0

目次

主人公がわりと普通かもしれない

思いついた下ネタをガンガン飛ばします。とみせかけて実際はそんなにたいした発言はしてないように思います。それより陸上部の部長を慕っている女の子、舞牧 麻衣ちゃんの主人公への絡み方の方が引きます。男視聴者でも引きます。横寺 陽人くんについては、思春期男子の思考としてはごく当たり前の範疇ですがそれを発言してしまうことに問題があるだけでしょう。"建前"を笑わない猫に願ったことにより失い、思ったことがそのまま口から出てしまうという困った設定ですが比較的かなり健全な少年のように思われます。そりゃ百円であれだけの同人誌が手に入るならだれでも買いますよね。女子の水着が見られるならスクワットぐらいします。それなりにメンタルの強い人からすれば変態王子なんて呼ばれもむしろご褒美にすらなりうるのではないでしょうか。数々の美少女に好かれるだけではなくそれなりの苦労に見合ったラッキースケベも体験していることから、彼の幸福度は極めて高いといえるでしょう。"建前"が戻ってからもそこまで本人に変化がないようにも思えるのですが。それも"羞恥心"を引き換えにしたことで説明のつくレベルなのでしょうか。幼少期のころから煩悩を除けばたいへん完成された人格者のようです。

属性のない女の子がまるでいない

この作品のよいところは女性の外見が属性だらけな点です。筒隠家は巨乳にポニーテール、低身長のおさげ。他はピンク髪のツインテールに金髪ロング。登場人物自体が少ないですが、これなら誰でも一人は好きになることができますね。筒隠 月子ちゃんの声がすごく素敵です。しかし元気いっぱいだったころの方が可愛い気がするので、最後まで元に戻らなかったのがとても不満でした。猫っぽいといわれるのも納得の振る舞いをたびたび見せてくれますが、とても愛らしいです。横寺くん一筋なんだけれどちょっとしたことで気分がくるくるするのがとても女子らしくていいと思います。ただ「本音」が戻ってきた場合をイメージすると犬っぽいになりそうですね。犬っぽいといえば従順とか嫉妬深いとかついてくるとか、ほとんど当てはまるように思いますがいかがでしょうか。わりと下ネタが通じるし優しく返してくれるのですぐにセクハラだといわれてしまう現代の女性においてたいへん貴重な良い子です。姉の筒隠 つくしちゃんは「本音」を譲り受ける前の方が可愛かったです。ツーンとして厳しい部長とかそれだけでもう武器だと思うのですがもったいないですね。彼氏の前だけは態度が柔らかくなる。それを下級生に目撃されてしまうとか最高の展開ではないでしょうか。マサチューセッツ工科大学だなんて大それたことを言うわりにそんな成績がよくなさそうです。横文字が苦手なんていうことは、イタリア慣れすらもしていなかったのかという疑問も浮上します。思い違いが激しいにもほどがあるのですが、周りの人間が優しすぎるのも問題ですね。一度若いうちに騙されると本人にとっていいかもしれません。エミちゃんはいちばん小さいのに一番女らしい子ですね。女の子らしいではなく女らしい。生意気で狡猾で、横寺くんが近くにいればいるほど意地悪をしてみたくなってしまうところがあります。考えてみると末恐ろしい子です。大きくなった時には本当に恐ろしいことになりそうですが成長した姿なんかも続編で見てみたいです。さすがに大きくなったらツインテールは卒業してしまうのでしょうか。金髪の小豆 梓ちゃんはお嬢様設定でアルバイト掛け持ちなんてしてるくらいですから実は貧乏設定なのかと思いきやさらりと沖縄旅行に出かけたりする不思議ちゃんです。何かがおかしい。なにゆえアルバイ熱心なのか。努力家だということを表したいのであれば勉強でもしてくれればいいのですがそんなシーンは見た覚えがありません。成績はさほど良くない設定のようですが、一生懸命に勉強してくれれば努力が伝わるものを、結局なぜアルバイトをしていたのかが謎に包まれています。横寺くんにキスはしてもらったものの基本筒隠家につきっきりで深刻な放置プレイをくらうので、不幸な役回りであるといえます。猫神さまにも憑りつかれてしまうし。いやだからこそキスできたのですが。

猫神様とは何なのか

このお話の根源でもある猫神様について考察したいです。かなえ方に問題が多少ありとはいえ、素直に何でも願いをかなえてくれるあたりかなりいいやつに思えます。ここまで願いをかなえてくれる神様なんてそうそういるものではありません。神は我々を救うと信じたままガスで処刑されたりナイフで斬首されたり関係のない戦争で目の前で家族がさらわれたり強姦惨殺されるというケースは現実に多数あるわけであり、つくりだした人間がむかつくから洪水起こして絶滅させるだとか星の刻まれたボールを集めなければ願いはかなえないだとか一切ありません。○○して。これだけでいいのですから良心的です。頭のいい善人がお願いをすればトラブルもなさそうなので、こんなに便利で都合のいい神様に文句等言って逆らうこと自体ナンセンスだとも思いました。

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変猫がテンプレアニメではない理由

圧倒的な萌え力タイトルからも察することが出来るが、アニメ『変態王子と笑わない猫。』の魅力において萌え要素が占める割合は大きい。クーデレ、ツンデレ、お姉さん、ポニーテール、後輩などなど、ヒロイン達のキャラクター造形ではテンプレートなアイコン的属性がしっかりと踏襲されており、またビジュアル的な面においても、原案カントク氏が造ったキャラクターは他アニメと比較して優れていると感じることが出来る。しかし、このアニメにおける萌えの真骨頂は別の部分に存在していると、筆者は断定する。それはヒロイン達がストーリーの中で垣間見せる「闇」である。原作者さがら総は他作品においても可愛い女の子というラベルの裏に、どす黒い何かを覗かせるようなキャラクター造形を得意としているのだが、この作品においてもその特殊なキャラクター造形方法はいかんなく発揮されている。例えば、メインヒロイン筒隠月子の異様なまでの主人公への執着...この感想を読む

4.54.5
  • かすむしかすむし
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