タイタンの逆襲にみる人間と神の心 - タイタンの逆襲の感想

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タイタンの逆襲にみる人間と神の心

5.05.0
映像
5.0
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

経験からきた言葉が人の心を動かす

「不可能だと思うこともその一筋の光で勝利することもある」、これはヘパイストスにクロノスの復活を阻止する協力を求めるときに言ったアンドロメダの言葉ですが、これはあきらめさえしなければ道が開かれるということを言っているのでしょう。もう少しでクラーケンの生贄になるところを助けられた経験から出た言葉だと思います。ペルセウスがアンドロメダを助けることをあきらめなかったから、助けることができたのです。一人でも助けることをあきらめなかったおかげで助かったアンドロメダだからこそ、人間のあきらめない気持ちがどれほど強い力を発揮するのかを実感したのだと思います。その経験からきた言葉だからこそ、クロノスから世界を救いたい・救うことができるという気持ちがヘパイストスに届いたのでしょう。

「あきらめないことが大事」ということは、誰もが正しいと思う考え方だと思います。しかしそれを実感している人と、実感していない人では言葉の重みが違います。少しでも難しい・無理だと思ったら努力もしないであきらめてしまっている人が、いくら「あきらめないことが大事」だと言ったところで説得力はないでしょう。最初から無理だとわかっているなら、「早めにあきらめてその分ほかのことに時間を費やした方が時間の無駄にならない」と言われた方が、どちらかというと聞いた人は納得できてしまうかもしれません。それほど経験からきている言葉にはどちらにしても説得力があるのです。しかし、経験からきた言葉も届かない時があります。それは、聞いた本人が別の経験からくる事柄に対し自信がある場合です。ペルセウスが「軍神アレスは敵だから祈ってはいけない」といくら言ってもコリーナが祈ってしまったのは、軍神アレスに祈ったら戦がうまくいったという経験のほうが勝っていたからでしょう。このことからも、人が自分又は他人の経験から行動を判断しているのがわかります。

許せない気持ちが呼んだ悲劇

アレスはゼウスが自分に愛情を注いでくれないのは半神であるペルセウスのせいだと思っています。ヘレイオスに「おのれの父を奪い取られる無念」と言っていますが、それはペルセウスに対しゼウスを奪った恨みをぶつけているのでしょう。しかし、これは単なる八つ当たりと言われるものでペルセウスにぶつけたところで何の解決にもなりません。ペルセウスがゼウスの愛を勝ち取るためにアレスを陥れたのであれば別ですがそうではないのですから、結局誰とも和解できないまま破滅してしまいました。

誰かを許せない気持ちをながく持ったままにしてしまうと、相手を許せない自分を許せなくなってしまいます。苦しくなるのは許してもらえない相手ではなく、許すことのできない自分なのです。しかしだからといって許さないといけないといっているのではありません。大事なのは許せないと思ってしまうほど自分がそのことに対して傷づいているということを気づくことなのです。ただでさえ傷ついている自分に対し、許せない気持ちを持つことでさらに自分を傷つけてしまうのです。アレスの異常なまでの攻撃性は、自分の心の傷の裏返しと言ってもいいのでしょう。誰かを攻撃することで自分の傷を自分から見えなくしているのです。そのことで余計に自分が傷つき、またそれを隠すために攻撃的になるといったサイクルにはまってしまうのでしょう。それに追い打ちをかけるように周りの人たちも離れていってしまい暴走してしまうのかもしれません。

心をひとつにする

「タルタロスの心臓部にたどり着けるのは人間だけ」だとヘパイストスは言っています。これはタルタロスに仕掛けられた「心の罠」のためです。たどりつけるカギは「心をひとつにすること」です。ペルセウスだけが二人と離れることになったのは、アゲノールの道案内を疑ったことが原因だったのでしょう。再会するとすぐに心臓部にたどり着いたのは、再会したことでまた「心をひとつにすること」ができたからでしょう。この場合の「心をひとつにする」とは心臓部にたどり着くという目的を3人がひとつにするということだったのでしょう。

「心をひとつにする」ためにはまず目的を明確にし、一緒にその目的を果たす仲間を信じることが必要です。「仲間を信じる」ということは、「仲間がそれぞれ自分の役割を果たす」ということを信じることだと思います。目的を達成するためにそれぞれ自分ができることをするのです。いくら優秀な人材がそろっていても、みんなができることとできないことが同じであればうまくはいきません。できないことが起こった場合、誰もできないということになってしまうからです。そして自分ができることを知るということも大切になります。航海士の異名をもつアゲノールからペルセウスが地図を奪おうとしたのは、仲間を信じず自分のできることをわかっていなかったのではと言ってもよい行動だったでしょう。本当は地図などは必要なく、心臓部にたどり着くために3人が助け合いながら進んでいくことが本当の意味での地図だったのかもしれません。

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他のレビュアーの感想・評価

兄弟喧嘩だった

アクションは良いけど前作よりアクションが良かったように思えます。物語は相変わらずですが前作よりも好き!ただ……なんでイオ死んじゃったの!っとびっくりしました。前作で最後復活していたし、簡単には死なないような不死身な設定だと思ってたからまさかのはじまり方でした。調べて知ったのですが前作はもう一つエンディングがあって、そっちではアンドロメダ王女とくっつくんですね。今作では女王をヒロインにしたかったからイオを死んだ設定にしたように思えてちょっと腑に落ちませんでした。またペルセウスも最後に女王にキスしちゃったし、イオの立場は!って女目線からは思いました。あっでもアンドロメダ王女は嫌いじゃないしむしろかわいくて好きですよ。前作からもう10年の歳月がすぎてるのに、王女のもとへペルセウスが訪問したときにすでに恋する乙女でかわいかったです。今作イオをこんな扱いにするなら前作もアンドロメダ女王をヒロインに...この感想を読む

3.03.0
  • ころなころな
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  • 1011文字
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