主人公の悲しみから滲み出る美しさに翻弄される、日本人に愛されるべき作品。
悲しすぎる宿命を背負った少女が、好きな男性と殺し合いをさせられ、殺してしまう。一番悲しい冒頭から始まるストーリーだ。故に、主人公の決意やかっこよさが伝わりやすい作品になっている。
アクションも凄いが、主人公の感情を圧し殺した生きざまに、男女問わず、惚れる人が多いと思う。強さとは、悲しみなのだろうか、と思わされる。これは、現代人にも通ずるところである。強くなければ、生きていけない弱肉強食の世界。他人を蹴り落とさなければ、自分が死ぬだけである過酷な現状。血が出ないだけで、いつどこで暮らしていても変わらない。酷い事実だ。人を助けて、自分が虐めに合ったり、泣きつかれてお金が返って来ないで自分が自殺したり、他人を庇うなんて馬鹿だと思う。そういう感情を一切、ばっさりなくしてくれる作品である。悩んでいる人は、観るといい。ちょっと狡くなれると思う。皆、自分の人生に必死なのだと、言い訳がみつかる。
困難な人生を負けずに、自分で切り開いていく主人公を気に入る人は多いので、日本人に愛される映画だと思う。皆、何かを背負って負けずに生きているはずなので、彼女の強さに癒されるだろう。
プラス、悲しみから出る美しさが半端ではない。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)