か弱き童貞が、いい旦那になっていくのも悪くない!
ティーン特有の心の弱さを「停滞」という病気に置き換えて表現している本作品は,どちらかというと女性視聴者には不向きなものかもしれない。なぜなら,まず桂の見た目がひ弱で軟弱,チキンで頼りない,というか全然男前じゃない。そんな男がなんで美人教師に巨乳同級生を巻き込んだ三角関係に発展するのか,現実ではあり得ないシュチュエーションにどこかイラっとしてしまった節もあったのではないだろうか。だが筆者の心には童貞が住んでいるので,この童貞の妄想具現化アニメのよさを認めている。みずほの「最優先事項よ!」という命令口調は,母性を日々追い求めている心にとっては,しきってちょっと命令してくれるくらいが心地よい。軟弱な自分より背も高く身体も大人で巨乳な姿はたのもしさと包容力を感じる。一方,ウブで自分のために泣いたり怒ったり笑ったりと移りが激しい様は子供のようで,こんな未熟な自分でも守ってあげられるんじゃないのか,いや,俺が守る・・・!と,優しさしかとりえのないような桂が成長し,最終的には夫としてみずほを守り養っていく姿は,観ている者を勇気づけてくれる存在と変わっていくのである。これは王道のサクセスストーリーものよりも,ある意味伸び白があって親近感を持てるのではないだろうか。最終話のエンディングでは,ふたりの新婚生活が描かれており,当初苛立ちを感じてしまっていた女性視聴者も,こんな新婚生活もいいな,と不思議と穏やかに温かくなれる仕上がりこそ,この作品最大の魅力だと思う。
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