原作とはいい意味で違うコミカライズ
超人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のコミカライズ作品。通常コミカライズ作品の場合、アニメを見た後に、コミカライズ作品を読むと、動きと音がなく物足りなく感じられることが多いのだが、この作品はそれを感じさせず、むしろアニメよりもテンポよくこの作品を楽しむことができ、とても満足だった。
原作アニメとの相違点としては
・各魔法少女の武器のデザインが異なる
・キュウべぇ(インキュベーター)に表情がある。(さやかの魔女化以降は原作と同じ)
が大きく挙げられるだろう。だが、私が一番印象的だったのはほむらvsワルプルギスだった。ワルプルギスの夜の使い魔の中に、それまでに脱落したマミ、さやか、杏子の3人の影が登場するのだ。これは、まどかを救うことを一番に考え、ほかの3人を蔑ろにしてきた(と薄々感じている)ほむらの心情も表現していると考える。
その点からも言って、このコミカライズを担当したハノカゲ氏自身、この作品を独自の観点からもう一度解釈し、その考えをコミカライズに乗せていることが感じられた。アニメでの劇団イヌカレーのあの独特な魔女や魔女結界のデザインも、それを元にしつつも、より漫画として読みやすい、見やすい魔女たちに変わっている。
これはコミカライズ作品ではなく、ハノカゲという漫画家の魔法少女まどか☆マギカという作品として、アニメとは別物であると考えたほうがよいだろう。
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