時代とともに変化したヴァンパイアとライカンと人間の力関係
ヴァンパイアVSライカンVS人間
セリーンが目覚めた時には12年もの歳月が経過していました。ヴァンパイアとライカンの存在は明らかなものとなり、現在ではヴァンパイアVSライカンVS人間となっています。人間が戦いに参加しているためかヴァンパイアとライカンともに絶滅の危機にありました。ウィルス感染であるヴァンパイアとライカンは、血液検査で陽陰性がわかるようになり、粛清といって人間がヴァンパイアとライカン狩りをしているため、両者とも人間を恐れ地下にもぐって生活をしていました。普通ホラー映画といえばヴァンパイアや狼男の方がパワーが強いため、人間の方が恐れ逃げ惑う姿がよく見られますが、これは相手の存在がよくわからなくて対策がとれない場合に当てはまるようです。相手の弱点がわかり、どう戦えばよいか作戦をたて、武器や装備をそろえた場合、人間はモンスターたちを絶滅させるだけの力があるというのがこの作品でよくわかります。武装した人間が一番怖いということですね。
人間の警察の中にセリーンの協力者が現れます。それはライカンに襲われたかもしれないという事件を捜査している刑事のセバスチャンでした。警察は事件の容疑者にライカンかどうかの血液検査をしていたのですがすべて陰性、このことに疑問を抱いたセバスチャンが血液検査をした企業が検査結果を偽造したのではないかと疑い、ライカンの企業であることが発覚しました。イヴをこの企業に連れ去られたセリーンはセバスチャンの助けを借りて、企業に入りイヴを取り戻し冷凍保存されていたマイケルも解凍しました。
セリーン親子
セリーンはアレクサンドル・コルヴィナスの血の恩恵で、デイ・ウォーカーとなりました。そのため昔のように日光を恐れる必要がなくなり、自由に動けるようになります。セリーンが冷凍保存されている間に、マイケルとの間にできた娘イヴが成長しています。冷凍保存をしていたのはライカンが混血の力を研究するための機関で、表向きには血液検査をするバイオ企業として運営されていました。イヴもこの企業の研究材料になっていましたが、粛清が始まりセリーンが自分のことを知らずに死んでしまうのに我慢できずセリーンを解凍して助け出します。12年後の初対面だったことと、自分に子どもがいることをしらなかったことで最初セリーンはとまどい、イヴに冷たい人と思われてしまいますが、視界を共有できるという事実と、イヴの血を吸った時に彼女の言っていることが本当であることを確信しマイケルと自分の間に生まれた子として愛し始めます。ヴァンパイアは子どもを産めないという設定のものもありますが、この作品ではヴァンパイアになっても子どもを産むことができるようです。
映画の最後の方でイヴはマイケルの視界を共有しますが、セリーンの方は共有できていないようです。ここにきてセリーンとマイケルは視界を共有できていたのだろうかという疑問がでますが、解凍されたばかりでまだ状況があまり判断できない状況で自分ではない視界が飛び込んできたので、マイケルだとセリーンが勘違いしていたという設定だったようです。セリーンによってまだ冷凍されたままだったマイケルが解凍されますが、その直後何者かによってさらわれてしまいます。マイケルはこのときイヴと共有している視界での動きにより、さらわれたことが分かりますが続編を思わせるようなラストになっています。
企業運営しているライカンと地下に潜んでいるヴァンパイア
ヴァンパイアがライカンを支配していたころとは大違いで、今やライカンは自分たちが最強になるために企業まで立ち上げて研究していて、ヴァンパイアたちは粛清を恐れて地下に潜んでいます。ヴァンパイアの若者にとって処刑人は過去の栄光であり幻に近い存在になっています。セリーンたちは逃げる途中で若いヴァンパイアであるデビットに出会います。デビットは処刑人にあこがれていて、機会があればライカンや人間と戦いたいと思っているようでした。2人をヴァンパイアが隠れて住んでいるシェルターに連れてきた時、セリーンとイヴを追ってきたライカンによって襲われます。その時、逃げようとする父トーマスの言葉を無視して戦いに挑み、ヴァンパイアたちは多くの犠牲を払うこととなりました。
ライカンの企業では混血の研究がされており、それは銀に対する抗体を得るためでした。注射を打つことでパワーアップしたライカンとセリーンとイヴが戦いますが、注射を打ったライカンの回復力はすさまじいものです。しかしその回復力があだになり、セリーンはライカンのおなかの中にピンを抜いた手りゅう弾を入れます。腹を裂かれただけだと思っていたライカンは得意げに回復力のすごさを見せますが、その直後手りゅう弾がおなかの中に入っていることに気づいた時にはすでに遅く、すぐに爆発してしまいます。自分の力に溺れてしまった結果ということですね。
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