別れ
この作品は社会問題であるDV、薬物、教育、人間関係などを取り上げています。多くのことを題材にしていると何が主張したいのかよくわからなくなりがちですが、この作品は主張したい筋は通っていて、私はそれに心を打たれました。
この作品が主張したいもの。それは「別れ」だと思います。それを登場人物たちが教えてくれました。彼らは皆、別れを経験することで強く成長しています。
まず最初に沙羅との別れ。沙羅の記憶から芽依たちの記憶は消えたが、芽依たちの記憶には沙羅は生き続けている。沙羅との別れがめいたちにとって「人は人の記憶の中で生き続ける」ということを教えてくれました。
次にタカちゃんとの永遠の別れ。しかしタカちゃんはまるで自分が死ぬことを予知していたかのように芽依にちゃんと残していきました。「自分を信じろ」と。俺のことはいいから芽依は幸せになる道を選べ。芽依のことを本当に好きだったタカちゃんだったからこそ言える言葉です。
そして最後に愛するアッくんとの別れ。お互いの気持ちに気付いて再びあゆみよったふたりがなぜ別れを選択したのか。それは2人は「運命」を信じたからです。もしお互いが赤い糸で結ばれているなら、またどこかで出会えるだろうと。四年に一度のあの場所で。それが別れを多く経験し、16歳になった彼らの答えです。それまで2人は幸せとは何かを探していくんだと思います。
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