画力はイマイチだけど、タイトル名で救われたカバチタレ
カバチタレとは、広島弁で「屁理屈屋」という意味であるが、行政書士事務所を舞台に、社会的弱者を行政書士的な法律の解釈とテクニックで救っていくという、愉快痛快話である。
テレビ化もされ、「ナニワ金融道」と同じぐらいの人気が出たが、カバチタレの場合は、ヤミ金的に弱者を助けるのではなく、法律の抜け道を使って解決するあたりが、痛快で勉強になる。
法律関係の監修が「ナニワ金融道」の青木雄二氏なので、その点についても、面白いところではある。
片方は、ヤミ金なのに、片方は行政書士。
法律の抜け道で、弱者を救うという点は、影と光の世界で事例を漫画というものを使って、紹介しているのは、見比べてみると、面白い点である。
ただ、画力が悪いというのが残念。
言いたい事はわかるのだが、画力の質が今ひとつ悪いのが、欠点であり、弱みである。
画力がもう少し良ければ、もっと知名度は高かったかもと思われる。
しかしながら、広島弁を駆使する事で、読者を引きつける会話術は、特筆すべきものである。
一度、広島を訪れた事があるけれども、ちんぷんかんぷんでわからなかった。
だから「カバチタレ」という題名を見て、「何のこっちゃっい」と考えたが、「屁理屈屋」という意味を知り、実際読んでみて、行政書士の仕事がある意味「法律専門家の屁理屈屋」と理解できた。
平凡なタイトル名だったら、名作でありながらも、埋もれていた作品である。
画力はイマイチだが、名作の一つに入る作品である。
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