キン肉マンの正義、友情とは?
キン肉マンを知るうえで最も重要なテーマは戦いを通した「友情」です。キン肉マンの世界には「超人」という種族がおり、超人プロレスという戦いを通して自らの持つ哲学を広めていくことに従事しています。初期のキン肉マンは正義を守るヒーローとは思えないようなダメ超人であり、何をやっても失敗ばかりで周りの失笑を買っていました。しかし、盟友テリーマンとの出会いや、超人オリンピックでのロビンマスク、ラーメンマン、ウォーズマンとの戦いを経た中で、友情の大切さを知り、彼らとともに正義超人としての強さを身に着けていきます。しかし彼ら正義超人とは正反対の、強さだけを求め友情を否定する悪魔超人や完璧超人が正義超人打倒のためキン肉マンたちに襲い掛かってきます。多くの仲間を得たキン肉マンは、7人の悪魔超人編と黄金のマスク争奪編で悪魔超人と、超人タッグトーナメント編では決勝で完璧超人と戦い、立て続けに勝利し「世の中は強ければそれでいい」といった考え方を改心させます。
では、キン肉マンの面白さとは何でしょうか。それはキン肉マンの相手を心を理解しようとする戦い方にあります。キン肉マンは「友情」を最も大事なコンセプトとして戦っていますが、キン肉マンは決してそれを相手にに押し付けるような戦い方はしていません。相手の技を必殺技まできっちり受け切り、相手の心情を受け止め理解したうえでその誤りを指摘し、最後に必殺技で相手を倒す戦い方をしています。対戦した悪魔超人やネプチューンマンのような完璧超人も心の中では優しさを持った者もいて、キン肉マンとの戦いの中で次第に正義の心に目覚めていき、戦いが終わるころには改心し友情に目覚める描写もあります。つまりキン肉マンの戦いは、相手を一方的に打ちのめす戦いではなく、相手に如何にして友情や正義を理解させるかが大きなコンセプトになっています。また、キン肉マンは超人レスラーとして観客を楽しませることも忘れてはいません。対戦相手だけでなく観客をも魅了する戦い方をキン肉マンは大事にしています。
「超人の持つ哲学は戦いを通した語り合いによるものである」といった作者の考えが大きく反映されており、他の格闘アニメとはまた違った面白さがキン肉マンには表れています。
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