司法界で若手弁護士を誘惑する悪魔とその姿 - ディアボロス/悪魔の扉の感想

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ディアボロス/悪魔の扉

3.003.00
映像
4.50
脚本
4.50
キャスト
5.00
音楽
3.50
演出
4.50
感想数
1
観た人
1

司法界で若手弁護士を誘惑する悪魔とその姿

3.03.0
映像
4.5
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
3.5
演出
4.5

キアヌ・リーヴス、アル・パチーノといったキャスト陣の豪華さもさることながら、訴訟大国アメリカを宗教的なイメージで描いたとも言われているオカルト作品です。アル・パチーノが、キアヌ演じる若手のやり手弁護士を言葉巧みに誘惑する司法界の黒幕=悪魔として描かれています。アル・パチーノが悪魔さながらの狂人的な舌鋒でキアヌを陥れていく様子は、まるで旧約聖書でイブを誘惑する蛇、あるいは新約聖書でキリストを挑発する悪魔そのものです。キアヌは良心の呵責と名声の狭間で苦悩し、知らない間に地獄の世界へとのめり込んでいく気鋭の弁護士。最初は負け知らずのスマートで切れそうな弁護士姿のキアヌですが、ニューヨークへ移ってステータスを手に入れるのと同時に妻が発狂し始め自身の生活が狂いだすと、誰も信用できず冷静さを失います。その様子は見る側の恐怖をじわりじわりと強くさせていきます。

この作品は単なる人間対悪魔といった図式ではなく、弁護士の良心や司法界とは?ということをキアヌとアル・パチーノの2人の関係によって訴えている作品ともいえます。アメリカは訴訟大国である一方、敬虔なキリスト教文化が根付いている国でもあります。キリスト教の知識が多少あると、興味深く観ることができると思います。自身の考えを押し殺してでも勝訴を勝ち取り名声を得るのか、敗訴だとしても自身の良心を含めた価値判断を選択するのか。裁判では、弁護士は原告や被告人の人生を左右する存在でもあります。何が正しくて、何が悪いのか。悪魔にそそのかされた男が、どうなっていくのか。誰にでも天使的な部分と悪魔的な部分はあるものですが、映画の中で時折顔をのぞかせる悪魔が恐いです。

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