司法界で若手弁護士を誘惑する悪魔とその姿
キアヌ・リーヴス、アル・パチーノといったキャスト陣の豪華さもさることながら、訴訟大国アメリカを宗教的なイメージで描いたとも言われているオカルト作品です。アル・パチーノが、キアヌ演じる若手のやり手弁護士を言葉巧みに誘惑する司法界の黒幕=悪魔として描かれています。アル・パチーノが悪魔さながらの狂人的な舌鋒でキアヌを陥れていく様子は、まるで旧約聖書でイブを誘惑する蛇、あるいは新約聖書でキリストを挑発する悪魔そのものです。キアヌは良心の呵責と名声の狭間で苦悩し、知らない間に地獄の世界へとのめり込んでいく気鋭の弁護士。最初は負け知らずのスマートで切れそうな弁護士姿のキアヌですが、ニューヨークへ移ってステータスを手に入れるのと同時に妻が発狂し始め自身の生活が狂いだすと、誰も信用できず冷静さを失います。その様子は見る側の恐怖をじわりじわりと強くさせていきます。この作品は単なる人間対悪魔といった図式で...この感想を読む
3.03.0