クマと僕
少年・ペピーノは生まれてからずっとサーカスにいた。両親がそれぞれ去ってしまっても。他に居場所がなかった。 サーカスでペピーノはクマに扮していて、客はクマの芸に対して喝采をおくる。 そんな毎日に、自分の存在意義に悩んだペピーノはクマの着ぐるみごとサーカスを逃げ出した。 暗い中、ぼろ小屋にたどり着いたペピーノはそこに泊まることにする。 朝起きてみると…実はすでにそこには、もう1匹のクマが! クマの格好のままのペピーノと、そのクロクマとの暮らしが始まります。 意外とボロが出ないまま違和感なく、優しいクロクマと、川で水を飲んで魚とって食べて、一緒に日向ぼっこするような生活。 しかしある日、2匹がクマ猟師と遭遇したことで、その生活が一変します。 クマって鼻利くだろうしバレなかったんだろうかとも思いましたが、狼に育てられた人間の話を聞いたりしたことも思い出して、別の野生の生き物との生活も必ずしも不可能じゃないのかも、と考えつつ読んだ前半。 猟師と出会った以降の後半、ペピーノは物思いにふけることが増えます。 和む2匹の暮らしを見守っていけたらいいのになと思う読者は多いのではないでしょうか。 切なくも素敵な結末に、気持ちが結構ほんわりするかも。
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