ツレがうつになりまして。の感想一覧
細川 貂々による小説「ツレがうつになりまして。」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
うつ病という試練を知る
支持された理由人間は生きているかぎりいろんな病気にかかる可能性があります。あとがきで語られているように、なぜだか本当に死にたくなってしまうところがこの病気の怖くて不思議なところ、という点においては、手術で悪いところを取ることによって治る病気とはまったく違うことが分かります。野生ならもちろん、人間と一緒に暮らしている犬でさえも、なんかつまらないな、遊んで欲しいな、と思っても「死にたい」と思うことはないでしょう。自分は誰かの役に立っているか?と考えたり、理想と現実のギャップを感じてしまうような高度な脳を持つ人間だからこそかかるのだと思います。そして何をもって治ったとするか、が大変あいまいだということも特徴といえるでしょうか。脳内のこの物質が減りました、だから完治です、という目に見えるゴールがありません。おそらくこの病気にかかった方の数だけ違うゴールがあり、その入口に立った人はこの先目指す治...この感想を読む
もし、自分の身内がうつになったら。
うつについて何の知識もないまま読みましたが、少し理解できた気がしました。また、読了後はもっとうつという病気を知るべきだな、とも思いました。 夫がうつになったあとの、妻の支えや夫の変化を描いています。 テーマがうつなので、全体的にくら~い感じで進んでいくのかな、と思っていましたが、全然そんなことありません。うつになった夫の姿が、時にコミカルに、そして時にシリアスに描かれています。 もちろん作品を通して、ずっと明るいわけではありません。妻が夫を思う気持ちの描写は、こちらまで悲しくなってしまったりします。 この作品が原作となった映画も観ましたが、素晴らしかったです!おすすめです!
為になる本です。
ドラマを見たのをきっかけで読んだ本です。私自身、知り合いに思いうつ病を患っている人がいて、読んでみて色々と考えさせられることの多い作品でした。うつって日によって体調が良かったり悪かったり、浮き沈みの激しい症状が特徴の一つなので、うつ病患者本人だけでなく、周囲の家族や友人等までも悩ませる病だと思います。この本ではうつ病の人との生活が赤裸々に書かれていて、もし私がうつ病になったらこんな感じになるのかなとか、家族とかがうつ病になって支えていかないといけない立場になったらこんな感じなのかな、というのを色々と感じる作品でした。うつ病は見た目では発症していないように見えて中々理解してもらえないことがあるので、もっと沢山の人にこの作品を読んでもらって、うつ病への理解を深めてもらえたら良いのではと思いました。
うつってどんなん?
うつとはどんな病気なのか?コミックエッセーなので、うつについて解りやすい本だと思います。ドラマ化、映画化もされました。その原作本です。うつとは後ろ向きで前向きになれない病気なので、元々後ろ向きな性格だった著者がツレさんの病気を切っ掛けに前向きに考えられるようになったと言うエピソードが胸にジーンときました。突然、自殺をほのめかしたりするツレさんの回復を見守るしかない著者の気持ちなど、胸が痛くなるような場面もたくさんあります。回復していくツレさんを一緒に見守っているような、著者を応援しているような気持ちになりながら一気に読みました。