トルパネーション
深層心理人は誰しも無意識の内に様々な行動や言動を選択しているもの。こんな話はありきたりで聞いたことのある話だ。主人公の名越はそんな無意識に苦しめられた被害者なのかもしれない。この作品を読むにあたり重要なのは個性である。個性はそれぞれかもしれないが、突き詰めていくと似たり寄ったりなのかもしれない。現に占いなどは同じようなことを、誰にでも当てはまることを言う。主人公名越この作品での主人公名越は無意識で嘘をつく人間である。では、彼が何故嘘をつくか考察してみよう。それは自分の過去に持つ、圧倒的なコンプレックスだ。何もなかったと感じていた彼には、嘘で作った仮面は、とても魅力的で過去を埋めるには都合が良かったのだろう。仮面なんて誰でも被って生きているもので、その厚さや種類が違うだけで、、、そんな主人公の脆さや人間味が読者に感情移入しやすくさせている要因だ。車自分がこの作品で一番謎なのは名越が車上生...この感想を読む
4.04.0
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