愛すべき娘たちの評価
愛すべき娘たちについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
愛すべき娘たちの感想
すべての「愛すべき娘たち」へ贈る本
さまざまな愛情の形を描いたよしながふみの連作短編集。男女の愛情や「愛情とは何か?」といったテーマもありますが、タイトルにあるように作品の中心に据えられたテーマは「娘」だと思います。母を許せない母という「娘」、母からの親離れを果たす「娘」、個人的な愛情を注ぐべき伴侶を選べない「娘」、愛情がどんなものかわからない「娘」、理想と現実の相克をはさんで向かい合う、同級生という「娘」と「娘」…。最終話において、主人公の雪子のモノローグに「母とは要するに一人の不完全な女なのだ」というくだりがあります。言葉にすればさして難しくないこのフレーズを、実感することは困難であり、この漫画はその課程を丁寧に見せてくれているのだと思います。