片耳の大シカの評価
片耳の大シカについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
片耳の大シカの感想
意外な展開
村のみんなが狙う大物、片耳の大鹿。鹿狩りをする、という設定は現代ではちょっと珍しくてなじみがないかもしれません。でも、この大鹿というキャラクター、なかなかロマンティックな想像力をかき立てるものではあると思います。 お話は別にロマンスとはまったく関係がなく、片耳の大鹿が率いる群れを追いかける猟師たちが遭遇する偶然の出来事について語られているのですが、読んだ後に「やっぱり人間も動物なんだ。」と思えるエピソードです。共通の言葉があるわけでもなく、むしろ仇同士のようなところもあるのに結局は運命共同体になることもあるのだなあと感心してしまいました。結末も温かく、読んで素直によかったといえるお話だと思います。