月に囚われた男のあらすじ・作品解説
デヴィッド・ボウイの長男ダンカン・ジョーンズの原案・初監督作で、2009年に公開されたイギリスのSF・スリラー映画。英国アカデミー新人賞など多くの賞を受賞、ノミネートされ、サターン賞のSF映画賞、ヒューゴー賞の映像部門を受賞した。 宇宙飛行士サム・ベルは、3年間の月面基地での勤務終了を間近に控え、地球で待つ愛妻ベルと娘イブとの再会を心待ちにしている。彼の任務は人工知能ガーティが統括する作業の物理的なトラブルを補修する作業がほとんどで、彼の健康を管理し、話し相手になることもまたガーティの役割であった。が、そんなある日、彼は突然の体調不良に陥り月面作業中に事故を起こし、医務室で目覚めるが…。 サムを演じた「マッチスティック・メン」「グリーンマイル」のサム・ロックウェルは、シアトル国際映画祭の主演男優賞を獲得。妻ベルをドミニク・マケリゴット、娘イブを「メイズ・ランナー」のカヤ・スコデラリオ、ガーティ―の声を「L.A.コンフィデンシャル」のケヴィン・スペイシーが演じている。
月に囚われた男の評価
月に囚われた男の感想
サム・ロックウェルの演技が堪能できる映画
月で一人働き続ける男3年という契約で、月に埋まる資源をポッドに詰めて地球に送り続けている男サム・ベルをサム・ロックウェルが演じている。たった一人で働くという過酷な環境に耐えながらも、契約完了まであと少し、もうすぐ家族に会えるということを楽しみに日々働いていたのだけど、ある日採掘機にポッドを取りに行く途中「何か」を見て事故を起こしてしまう。そして治療室で意識が戻った時に全く自分と瓜二つの人間を見る…といった典型的な「もしかして自分クローンなの?」的なストーリーなのだけど、飽きさせずに最後まで観させる力のある作品だった。タイトルにもなっている「月に囚われた男」というのも個人的にはよい邦題だと思う。原題である「MOON」よりも、月で一人働くということの過酷さと強烈な孤独を感じさせるからだ。DVDのパッケージデザインも延々続くクローンの運命のようなものをイメージさせてカッコよい。しかもサム・ロ...この感想を読む
ほんとうの意味でSFっぽいSF
未来の話し、月に基地ができて人びとがそこで暮らす、そんな時代の話しです。地球のエネルギー問題のため、月の裏側の基地でロボットと二人、ヘリウム3を採掘する男が中々地球に帰る事ができないのには理由があった。基地内部のセットはスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」っぽく、人工知能はHALっぽく、話はソラリスのようなサスペンス性も含んでいます。ここまでステレオタイプなSFである必要もない気がしますが、古参のSFファンにはちょっと嬉しくなります。まぁ、残念なところといえば、月の重力を描写できていなかった点でしょうか。よく出来ていたから逆にそこが残念でした。