クワイエットルームにようこその感想一覧
映画「クワイエットルームにようこそ」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
松尾スズキの舞台人らしい仕事を楽しむ
「これが何であるかは俺が決める」という感覚2007年作品。2005年に上梓され、同年の芥川賞候補にもなった松尾スズキの同名の小説を自身が映画化したものです。舞台にあまり興味がないので、彼の活動のコアである「大人計画」についても良く知らず、もっぱらテレビや映画での露出を通じて知っている人でした。監督作を初めて見ましたが、人間の持つ様々な側面を、あえて絞らずにだだっ広げるように見せて来るあけすけな感覚がとても面白かったです。多くの人が幅広く製作に関わる映像作品というものにおいては、作り手全体のコンセンサスを得るためにも「これはこういう映画です」と、監督自身があらゆる立場の人に対して端的に説明、プレゼンする機会がたびたび必要になる側面があるのじゃないかと推測します。それゆえ、もちろん監督の人によりけりなんだとは思いますが、結果的に、ジャンルあるいはカテゴリーの枠にどこか自らをはめたうえでの表現になっ...この感想を読む
シニカルな異色コメディー。
松尾スズキ原作・監督の、精神病院を舞台にした異色作品。主人公の明日香は、薬物とアルコールの過剰摂取により、クワイエットルームと呼ばれる精神病院の隔離病棟に運び込まれる。そこにいたのは、様々な問題を抱えた患者たちだった・・・主演の内田有紀さんのほか、蒼井優さん、大竹しのぶさんなど実力派の女優さん・俳優さんが出演していて、個性的な登場人物たちを魅力的に演じていて非常に楽しめました。特に、大竹しのぶさんの怪演が怖いくらいです。重いテーマを扱っていますが、松尾スズキさん独特のシニカルでユーモアのある演出で、最後まで飽きずに楽しめました。
蒼井優がかわいい
十七歳のカルテのパクリっつうか、確実に影響はされてる。ライターの女性が、精神病院に入院し、そこでいろんな人にであったり、人生を考えたりする話。仏壇のくだりはめちゃくちゃ面白かった。コップが抜けなくなるシーンと、鼻水と食事のシーンが気持ち悪かった。日本の精神病院の閉鎖病棟ってこんな感じだよな、と雰囲気はでていると思った。むしろ、完全に病気の人が入っている分こちらのほうがマシだな、みたいな。拒食症役の蒼井優がめちゃくちゃかわいい。こういう役も似合うんだなあと思った。名前はしらないけど、もうひとりの拒食症の人もかわいかった。十七歳のカルテのまがいものって感じ。
日本版「17才のカルテ」ではないのか?
まるで「17才のカルテ」を観ているかの様。意識したのか、日本版「17才のカルテ」としてリメイクされたのかと思った。けれどそういった趣旨の情報はなし。ここまで似ているのにリメイクではないのなら、パクリと言われてしまうのでは?そんな疑問を持ってしまう程、全体の流れや雰囲気や主人公の苦悩が似ている。けれど役者陣の演技はレベルが高い。蒼井優さん目当てで観に行ったが、実際に目を惹かれたのは大竹しのぶさんだった。こんな人が本当にいるのだろうと思ってしまう狂気溢れる演技に引き込まれる。個性的で息苦しい入院生活の中でも、ゆるい体操のシーンがあったりと緩急があり、「17才のカルテ」と似ているという部分を除けばレベルが高い作品。