黒の試走車(テストカー)の評価
黒の試走車(テストカー)についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
黒の試走車(テストカー)の感想
社会派サスペンス映画の代表作!!
高度成長期であった昭和30年から40年代の中でも、自動車産業の開発競争は各メーカー間でもしのぎを削るほど熾烈な争いであった。そこで産業スパイが暗躍し、その戦をサスペンスフルに描いています。またそんな高度成長期の中でも、サラリーマンは会社の為、自分の為といろいろな犠牲を払いながらもがむしゃらに生きてゆく様を、増村保造監督はじっくりと描いてゆきます。撮影の中川芳久は、白黒のコントラストを強調した映像作りで、まさにドキュメンタリーを観ているような生々しい感覚を与えてくれるのが秀逸です。主人公の田宮二郎をはじめとして、叶順子、船越英二、高松英郎といった共演者たちの真に迫る演技も、この映画の魅力の一つになっています。サスペンス溢れる映画がお好きな方にお勧めの一本です。