我輩はカモであるのあらすじ・作品解説
「我輩はカモである」は1933年のアメリカ映画である。監督は一流コメディアンを起用した作品を次々と発表していたレオ・マッケリー。全体感として戦争色の濃い、独裁者、ファシズムを風刺した作品とされるが、実社会でもヒトラーが総裁に就任、ナチス党独裁政権のはじまりとリンクしており、まさに独裁政治の行く末を予見したかのような作品でムッソリーニがイタリアで映画上映を禁止したほどの問題作となった。主演のマルクス兄弟の天才的かつナンセンスなセリフ回しとセンスでコメディとしての高評価を得ている映画作品でもあるが、当時、批評家の間では理解を得られず、マルクス兄弟の移籍原因になった作品とも捉えられる。ストーリーは、財政難のフードニア共和国は大富豪のディズデイル夫人に援助を受ける代わりに、夫人の愛人を首相にする。ところが、国内は混乱、隣国のシルヴェニアはスパイを使い夫人を取り巻く状況から、二つの国は険悪さを増していく…そして「いざ開戦」の歌が響く。