マルタの鷹の評価
マルタの鷹についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
マルタの鷹の感想
ハードボイルドの祖
幻の秘宝「マルタの鷹」をめぐる黒い陰謀に巻き込まれた私立探偵の物語。原作のダシール・ハメットの小説はハードボイルド小説の元祖といわれるが、確かにハンフリー・ボガード演じる主人公の探偵にハードボイルド探偵の原型を見ることができるだろう。頭が切れ、肝が据わっていて、女との火遊びに長け、厄介な事件に巻き込まれて有能さを発揮する。ボガードの渋い顔は役に適している。この映画は全編通して演技とだましあいの連続で、先が読めない作りになっている。1941年公開と第二次世界大戦中の映画ながら、隙のない傑作である。また、クライマックスで汚い欲望と陰謀と悲惨な犠牲が全くの徒労に帰すシーンは消尽の美学を感じてなかなかおもしろかった。