午後の曳航のあらすじ・作品解説
思春期の少年の繊細で破壊的な衝動を描いた三島由紀夫による同名長編小説を原作に製作された、1976年公開の日米英合作映画。脚本家ルイス・ジョン・カリーノの監督デビュー作であり、脚本も担当している。 美しい海を見下ろす岬に建つ豪邸の1人息子、13歳のジョナサンは、ブティックを経営する裕福な未亡人の母と家政婦との3人暮らし。彼は顔だちも整い成績優秀ではあったが、夜抜けをしては廃屋で悪友たちとの密会を繰り返していた。その”首領”は大人びた少年で、彼らに性的な内容の医学書を見せ、独特の美学を語る彼らのカリスマであった。一方、ジョナサンは自室に節穴を見つけ隣室の母のプライベートを覗き見るようになる。やがて彼女に船乗りの恋人ジムができ、ジョナサンは彼に英雄としての憧憬を抱くが…。 母親アンを「欲望」「ライアンの娘」のサラ・マイルズ、恋人ジムを「スター誕生」「コンボイ」のクリス・クリストファーソン、ジョナサンをジョナサン・カーン、大人びた少年”首領”をアール・ローデスが演じている。