暗くなるまで待ってのあらすじ・作品解説
テレンス・ヤング監督による、舞台劇として大ヒットを記録したナレデリック・ノットの作品を映画化した暗くなるまで待っては、盲目の女性が果敢に悪の組織に立ち向かう姿を描いたサスペンス映画である。 事故により視力を失ったスージーは写真家の夫、サムと暮らしている。ある日、サムを訪ねて訪れた客により、彼女の長い一日が始まる。 夫のサムは空港で見知らぬ女性から人形を託された。処分に困ったサムは住まいのアパートへ持って帰ることに。しかし人形の中にはコカインが隠してあり、コカインを探し、組織のメンバーである三人が人形の返却を求める。一人、アパートにいたスージーは人形の在処を知らず、組織の三人は盲目を利用し、芝居をして誤魔化しながら在処を探す。しかし盲目中で起こる出来事を彼女は感じ取っていた。 主人公の盲目の女性、スージーを演じたのは舞台女優としての経験もあるオードリー・ヘップバーンであり、映画というスクリーンの中の映像にも関わらず、舞台を観ているかのような臨場感を味わうことが出来る作品となっている。
暗くなるまで待っての評価
暗くなるまで待っての感想
オードリー熱演のサスペンス
オードリー・ヘップバーンと言うと、何となくオシャレなラブコメディが似合う、可愛らしい女優さんという印象ですが、この映画では盲目と言うハンデを持ち、恐怖に戦きながらも、ハンデを武器に戦う勇敢な女性を演じている、異色の作品です。夫が他人から預かった人形が原因で、予期せぬ事件に巻き込まれ、一人取り残されながらも、立ち向かうヒロイン、スージーを、オードリーが熱演しています。真っ暗闇で敵と戦うシーンは手に汗握る、緊張感のあるシーンです。昔のサスペンスって、それほど手の込んだ映像技術を使用しているわけでもないのに、恐怖の演出がとてもうまいのが凄いと思います。
完成度の高いサスペンス。
オードリー・ヘプバーン主演のサスペンス映画。主人公のスージーは、盲目の女性。夫の留守中に、彼から預かったある人形を取り戻そうと、次々に訪れる怪しい客たち。彼らには、ある目的があった・・・舞台は家の中という限られた場所で、登場人物はほんの数人なのに、最初から最後まですごい緊迫感です。主人公が目が見えないという設定を上手に使って、お話を盛り上げています。結果がなんとなくわかるものの、思わずスージーを応援してしまうほど。機転のきく主人公を、オードリー・ヘプバーンが熱演しています。彼女の代表作というと、若いころのローマの休日、麗しのサブリナなどが有名ですが、本作ではベテラン女優としての演技力の高さが堪能できます。