百鬼夜行抄の感想一覧
漫画「百鬼夜行抄」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
普通でいようとするって大事!
幽霊にもマケズ、妖怪にもマケズ。主人公は幽霊が見えちゃうし、実家も妖怪だらけっていうかお父さんの中身も妖怪!お母さんとおばあちゃんも、「うちってちょっとヘンよね」というのは解ってる。でも、そんな環境の中でも淡々と普通に生活していて、そういうのって大事だな思いました。積極的におかしなものに振り回されないようにする姿勢というか、人間としての当たり前の暮らしをちゃんと営む姿勢というか、普通でいようとすることはとても大事なことだと思います。ある著名な霊能者さんが言うには、おかしなものを感じても、それにばかり意識を向けて生活をおろそかにすると、どんどんおかしなものに引きずられてしまってよくないそうですが、主人公が環境の割に正常な思考を保ち続けられているのも、そういうことなのだと思います。霊が見えることと除霊ができることを混同して誤解する周囲の人から除霊を頼まれたときに、「僕は見えるけど特別な力は...この感想を読む
“不思議”と日常の境界線
読み切りの良さと切なさ1話読み切りですごく読みやすいし、中途半端な巻を読んでも楽しめるのが良いところ。その反面、きちんと解決されずに終わるような「中途半端な終わり」をしているような話は、「解決されない怖さ」という面で、ホラー要素を際立たせているように思う。ストーリーとしてはアリなんだけど、事件としては解決されていないというか……。最初のころと比べて、人間模様が複雑化しているせいか、最近は特に多い気がする。中でも、箪笥の幽霊に魅入られた開さんのエピソードは今後どうなるのかが気になる。開さんはせっかく現世に戻ってきたのに、結局「人ではないもの」に魅入られてしまって、その生涯を終えてしまうのだろうか……。開さんの一生を思うと切なくなってしまう。「百鬼夜行抄」の恋愛観恋愛話が出てこないわけではないのに、イマイチ幸せな恋愛が展開されていかない。「百鬼夜行抄」では、一見うまくいっているような恋愛も...この感想を読む
薄気味悪いんですけど・・・
登場人物が個性的で面白く、テンポもいいので読み進められます。1話完結なのでそれもいいんだと思います。私は怖がりなんですけど、妖怪ものとかが結構好きなのです。でも、怖さはギリギリかも(;^ω^)昔の日本映画的な暗さがイメージされて。。文庫だと8話も入っているので満腹感もあって読み応えは満足です。時間の前後行ったり着たりする感じは、あれ?いつの話し?ってなったり戸惑いますが、読み終えるとなんだか納得できます。怖い夢を見てるような感覚になりますが結構くせになり大人買いしてしまい、今は新刊待ちです。『夏目・・』とかぶってしまいそうですが全然違うのでこちらもアニメ化すればいいのにと内心思っています。
怖いけどユーモラスな妖怪たち
怪奇小説家だった祖父を持つ律は、子供のころ女の子の格好をさせられていました。それは「魔」よけだったようですが、祖父譲りの霊感をもつことでいろんなハプニングに巻き込まれていきます。でも全体の雰囲気はおどろおどろしいものではあまりなく、出てくる妖怪もユニークです(怖い妖怪もいますが)舞台はほぼ律の家(蔵を持つような庭の広い日本家屋で、いかにも「出そう」な雰囲気です)ほかに、年上のいとこ(このコも霊能力あり)や死んだ父親に入り込んだ祖父の式神、おっとりした母など曲者ぞろいです。律はまわりにいろいろ振り回されて大変そう。この作家さんの主人公はみんなそうですが(笑)1話完結なので読みやすいですが、意味がわかりにくいお話もありました。でも面白いです。