蟲師の評価
蟲師についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
蟲師の感想
正しい妖怪とモテ中年で綴る、新昔話。
これぞ妖怪の正しい姿。妖怪、と言えば日本人である我々はすぐに鬼太郎の世界観をイメージするはずだ。しかし、アニメ鬼太郎は実はすでに妖怪ではない。アニメだったとしてもノイタミナ枠でやった「墓場鬼太郎」の方だ。妖怪には目的はない。妖怪に意思はない。実に大自然に近い、事象と命の境目があやふなやもの、それが妖怪。蟲師では「蟲」という存在がそれであるが、その手加減の無い目的のなさや理不尽さにしびれる。妖怪ってこうでなくっちゃ!また、古代日本(古事記の時代)では、命の誕生を「蒸す」と表現していたという説がある。湿度のある場所に現れ出る・・・というイメージなのか。ページ中に漂う霧の湿り気と「むし」という響きは、部屋のすみっこでなにか不思議なものが産まれて蠢いているような印象を与える。時代設定のあいまいさもまた大変よろしい。江戸から明治までの謎の時代、といった設定らしいけれど、こちらとしてもバキッと「〇...この感想を読む