失われた顔の評価
失われた顔についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
失われた顔の感想
大統領すり替えという斬新なサスペンス
イブが一番つらかった頃の物語この「失われた顔」は、イブ・ダンカンシリーズの第1作目である。後に「顔のない狩人」「爆風」と続くのだけど、それらに共通して出てくるイブの一番つらい人生の部分が書かれている。既にボニーは殺されてしまっている。何も話そうとしないまま死刑にされようとする犯人フレイザーに、自分の本来の意思とは別に死刑執行延期の願いを出そうとするイブの心中がつらすぎて、そのような身を切られるような描写でこの物語は始まる。他の殺された子どもの親は、フレイザーの死刑をなぜ延期しようとするのかとイブに詰め寄る。当然その気持ちもわかりすぎるほどわかる。だけど殺された子どもがどこに埋められたのか、それを知らないで済ませるわけにもいかないというイブも気持ちもよくわかるので、この場合はどちらも悪くないと思った。ただ切なすぎる場面ではあった。3作を通してイブに寄り添うジョーは、ここでも保護者のように...この感想を読む