ヘルシンキを舞台に展開される、ゆる~い物語
とにかくゆるい不思議な映画『かもめ食堂』は、群ようこ原作の小説を映画にした作品だ。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこという個性派女優を主役に迎え、フィンランドはヘルシンキに居を構える「かもめ食堂」の日常を描く。映画『かもめ食堂』にストーリーというストーリーはない。大きな物語の変動も、恋もサスペンスもない。三人の女性(おそらく全員未婚だ)が、異国の地でたまたま出会い、居心地の良い場所・ヘルシンキの「かもめ食堂」で日々を過ごしていくというだけの話。かもめ食堂は、最初は客こそ少なかったものの、徐々に人が増えだし、やがて満席になったところで物語は終わる…というなんともいえないエンディングを迎える。いかにも女性作家が書いた文学作品らしいストーリーで、そういったノリが好きではない人には向かない作品であろう。筆者も女性的な文学作品はさほど嫌いではないが、たとえば客が増えだす流れや、日本食があっさりと...この感想を読む
3.53.5
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