うに煎餅で許していいのか? - Presents うに煎餅の感想

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Presents うに煎餅

2.002.00
映像
2.00
脚本
1.00
キャスト
3.00
音楽
1.00
演出
1.00
感想数
1
観た人
1

うに煎餅で許していいのか?

2.02.0
映像
2.0
脚本
1.0
キャスト
3.0
音楽
1.0
演出
1.0

目次

「presentうに煎餅」を見た感想です。


私がまずこの作品を見ようと思った理由は、上演時間が42分と短かったからです。
私は映画があまり好きではない人間です。二時間近く拘束されるのが嫌、というのが主な理由で、暇潰しに見る映画は短い方が丁度よく感じます。
ですので、同じような嗜好の方にはいいと思いますし、当然ながら一般的な映画を好む方には物足りない内容だと思います。

42分間の間に何か特別なストーリーや演出があるのか?というと全くそんなことはありません。
本当にオーソドックスというか、お手本のような起承転結の作品です。短編映画のお手本のような、教科書のような印象を持ちました。

ただ、教科書的に破綻の無い内容ではありますが、裏を返せば、観客の記憶に残るような個性というものがまるで無い、という感想も持ちました。
面白味が無いんですね。キツイ言い方をしてしまうと。

主要なキャラクターにも個性は特に無く、ストーリーもよくあるパターンの恋愛映画です。
この上演時間42分間の間に、特に起伏もなく、流れるようにストーリーが展開してしまいます。

おそらく戸田恵梨香さん、平岡祐太さんがいなければ、それこそ何も印象に残らないのだろうな、という内容でした。
どういう理由でこの作品が制作されたのかは不明ですが、映画として需要がある作品なのか?は解りかねる所です。

もっと印象に残る何かがほしい…


主な登場人物は、戸田恵梨香さん演じる主人公羽月と、平岡祐太さん演じる悟、そしてエリートイケメンの安田の三人です。
羽月は新社会人として新しい生活を送る一方、二年付き合った彼氏、悟は大学生を留年。さらに来年も留年するのだろう、と予測されるほど、ダラダラと学生生活を満喫していました。

そんな二人は生活の違いから、だんだんとギクシャクするようになり…。
そんな中、高スペックイケメンの安田が登場。羽月はだんだん安田に惹かれていき…。
というような、現実世界でもごくありふれた、その辺に転がっているようなストーリーが展開されていきます。

ごくありふれたストーリーな分、同じような境遇の人には共感されるだろうし、興味をもって見てもらえるのかもしれません。
しかし、私はもう結婚もしていますし、おばさんなので、「ありがちだなあ」としか思えませんでした。
最後に高スペックの安田より、結局うだつの上がらない悟を羽月は選ぶことになるのですが、「どっちも考えものだよなあ…」と思いました。

オチ自体もよくある結末というか…。
すごく素敵な彼より、結局はダメでも自分のことをよく分かってくれている人が一番!という結末も、何番煎じなんだと聞きたいくらいよくあるオチではあります。

それで見ている観客は満足できるのかというと、結局序盤からこうなることは予測できてしまっているし、「面白いと思えるのかな…?」と首を傾げたくはなりました。
私個人としては、満足できる内容ではありませんでした。
何かストーリーが奇想天外だったり、演出が個性的であったりすれば、まだオチがこれでも良かったのかな、とは思いますが…。

キャラクターも没個性で、勿体ない印象


また、ストーリーだけではなく、主要なキャラクター達も無個性でつまらない印象になってしまいました。

羽月と悟の関係性は分かるのですが、もっと人物像が掘り下げられていれば、感情移入できたのではないかな、と思います。
「短編として、最低限の掘り下げはしますよ」というレベルでしかキャラクターを見せていないので、いざクライマックスへとストーリーが進行しても、盛り上がりに欠けるような気がしました。

どうして羽月と悟は付き合うようになったのか?お互いに相手のどんな所が好きなのか?
そういった所がもっと描かれていれば、もっと二人に感情移入ができたと思いますし、最終的に羽月が悟を選んだことにも、もっと感情が盛り上がったのではないかと思います。

また、安田に関しても、もっと羽月に「この人イケてるけど微妙だな…」と思わせるようなエピソードがあっても良かったと思います。
作中にある描写ですと、「前髪を触りがち」、「羽月の耳には穴が空いていないのに、ピアスをプレゼントした」という点が、羽月のお気に召さなかった理由として描かれていますが、端から見ていると、まだ許容の範囲内というか…。

悟のダメさと比べると、むしろ安田の方がいいじゃん!と思ってしまいました。

悟は大学を一年留年して、さらに留年しようとしていますからね…。学生だからお洒落なお店も知らないし、お金が無いから小銭までワリカンしてきますしね。

元々頭があまり良くないので話も面白くないですし、それに加えて世間知らずなので、社会人の羽月とは更に話も合わなくなっています。

「一瞬にいて楽しいのか?それ…」と端から見ていて思ってしまいました。

安田は別に悪くないと思いますけどね…。

うに煎餅で許してしまっていいのか?と思うようなラストでした。

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