大人なのに、子供の世界みたいな楽しさ - ぱいかじ南海作戦の感想

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ぱいかじ南海作戦

3.003.00
映像
3.00
脚本
3.00
キャスト
3.00
音楽
3.00
演出
3.00
感想数
1
観た人
1

大人なのに、子供の世界みたいな楽しさ

3.03.0
映像
3.0
脚本
3.0
キャスト
3.0
音楽
3.0
演出
3.0

目次

ぱいかじは、南から吹く風のこと!

「ぱいかじ南海作戦」を視聴した感想です。
ぱいかじとは、沖縄の言葉で南から吹く風を意味するそうです。
作品全体のゆるく、温かな雰囲気は、まさにぱいかじといったところでしょうか。

リストラ、離婚をきっかけに、南の島にやってきた主人公が、夏休みのような、楽しいサバイバル生活を営んでいく話です。

登場人物も嫌な人が出てこないので、本当にゆったりした気分で見ることができます。
主人公は序盤でキャンプ生活者に騙されて、荷物を全部盗られてしまいますが、その人達でさえ、憎めないようなキャラクターになっています。

アパを呼び戻しに来たおばさんや、婚約者達も、いつの間にか一緒になってご飯を食べているのが、優しい気持ちにさせてくれます。

おっこち君は島に来て早々に会社を辞めてしまいますし、アパは実家や婚約者の問題から逃げています。
現実の面倒事は最後まで解決しませんが、「まあいいか」と思わせる、ゆるい南の島の空気感に癒されます。

最後に壊れた筏で、カメラ一つ持って流されて行く佐々木の姿は、風まかせ成り行きまかせでとても大人の生き方ではないけれど、不思議と頼もしくて、「なんとかやっていくのかな」と思わされました。
ふわふわしているけれど、たくましく生き抜いていく力。そんな元気を作品全体からもらえるように思いました。

笑いあり、南の島の豪快なキャンプ飯ありの、非常にのんびりとした作品で、見ていてチルアウトしていくような感覚になります。
何かに疲れたときに、癒されるような作品だと思いました。
星野源さんの歌う主題歌も、作品の雰囲気に合っていると思いました。

伊勢海老!猪!野性味溢れる南の島のごはん


作品の見所の一つが、主人公達の食べるキャンプ飯だと思います。

最初のうちは、あるものを食べる、みたいな感じでしたが、女性陣がやって来てからの料理は彩りもよく、美味しそうでした。

自分達で採った魚や貝や海藻の味噌汁…。

葉っぱのお皿でいただく、採れたての魚で作るお刺身や、焼き魚。
豪快に食らいつく巨大な伊勢海老や、初めて絞めた猪など、野性味溢れるご馳走たち。画面越しに、思わずヨダレが出ます。

普通のカップラーメンさえも、すごく美味しそうにみえます。こういう所で食べるカップラーメンは、さぞかし美味しいでしょう。

飯盒で作るバナナパンもお洒落でかわいいと思いました。

それをみんなで美味しい、美味しいと言って食べる楽しみよ。
この作品のテーマには、食の大切さもあると思うんですよね。
見ていて「生きてるな」って思います。

自給自足できるかな?南の島のサバイバル


また、魚を採ったり、住居を建てたりと、自分達でサバイバルしていく様子も面白いです。
たまにテレビ番組でも、無人島サバイバルのような番組がやっていますが、それと同じような面白さがあると思います。
最初は何もできなかった佐々木が、おっこち君やアパやタエといった仲間と協力し、楽しく暮らしていくのがいいですね。
この作品のサバイバルは、大変さが全然なくて、見ていて疲れないのでいいと思います。

キャンプ生活者の襲撃に備え、新たな住居を作っていくのも、何だか秘密基地を作っているような、ワクワクがありました。

やっぱり何だかんだ言って、男が憧れる男というのは、サバイバルで生き残れる男なのかもなあ、と思いました。
おっこち君が佐々木に言う、「男として尊敬します!」というセリフも、それを表しているような気がします。

小学生の頃、高い木に登れたり、川に飛び込めたりする男子は尊敬されていました。
何だかそれを思い出しますね。
わたしは女なので想像するしかないのですが、そういう子供みたいな感覚は、幾つになっても男の人の中には残っているのかもなあ、と思いました。
「この葉っぱ、食べられるんだぜ」みたいな変な優越感がかわいいです。
それを女子に言ってスカンを食らう所まで、小学生の男子みたいでした。

また、大人の夏休みのような、全力の遊びのシーンも好きです。
棒倒しを、長い棒とたくさんの砂で山を作って、体ごとぶつかっていくシーンは、「よく考えたな」と思いました。
そんな彼らの豪快さと、自由さが面白いです。

主演の阿部サダヲさんは、飛んだり跳ねたりの佐々木を、面白おかしく演じていたと思います。
おっこち君役の永山絢斗さんも、弟分的な役どころがぴったりで、阿部さんとうまくマッチングしていたと思います。

この二人の小学生の男子みたいなかわいさが、見ていて面白かったです。

また、独特の雰囲気を持った、キャンプ生活者たちも良かったです。
盗んだ服を全員着ていながら、あっさり土下座する四人に、佐々木も思わず笑ってしまいます。
ピエール瀧さんはなぜかオネエ走りで、でもこんな人いそう、と思わされる存在感がありました。
四人も最後はいつの間にか一緒にやぐらを組んだりして、仲間になっていて。そんな所も子供の世界のようで、ほほえましかったです。

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