交錯する人間関係、サバイバル。そして、殺人者とは? - リミットの感想

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リミット

3.003.00
映像
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脚本
3.00
キャスト
4.00
音楽
3.00
演出
3.00
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1
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交錯する人間関係、サバイバル。そして、殺人者とは?

3.03.0
映像
3.0
脚本
3.0
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
3.0

目次

生存者は誰だ!?生き残りをかけた、サバイバルドラマ!

「リミット」を視聴した感想です。
ドラマ放映当時は、面白いし、毎週気になるところで終わるので、次の放送を楽しみに見ていました。

この作品は、修学旅行中にバスが事故にあい、生存した6人の高校生のサバイバルと人間関係をテーマにしたドラマです。
冒頭から派手な女子や真面目な子、嫌われ者など、クラス内でのスクールカーストをえげつなく描いており、それが事故の後の人間関係にも大きく関わってくるのが見所となっています。

また、外部では事故発覚までの学校側の過失や隠蔽、バス会社のずさんな管理体制など、生存者の発見が遅れていく様子が描かれています。

また、助けを待つ中で、主人公達や副担任教師がだんだんと成長していく過程もドラマチックに表現していると思います。

各キャストの演技もすばらしく、また各キャラクターのバックボーンもかなり緻密に考えられており、「この人はこういう事があったから、今こうした発言をしているんだな」と、視聴者が納得できるようになっています。

それだけでもドラマとしては上出来なのですが、更に、回を増すごとに生存者の生き残りが厳しくなっていく様子や、事件発覚までの外部の動きなど、最後まで目が釘付けになるようなストーリーとなっています。

ですので、初見だとかなり面白いドラマだと思います。

いじめ、スクールカースト、隠蔽…胸糞悪さも満載のドラマ!


ただ、何回も繰り返し見たい内容ではないな、と思ってしまいます。
全体的に重い話が多く、見るのに体力がいると思います。
ちょっとトラウマになる、と言っては言い過ぎですが、気楽に見たいドラマではないです。

毎回胸糞が悪くなるようなシーンがあるのですが、一番嫌いな場面は、バス事故の情報がマスコミに漏れるシーンです。
主人公の姉が新聞社に勤めていて、学校説明会の内容を報じてしまいます。
その時に上司から誉められて、ちょっと姉が喜ぶんですよね。
見ていて一番酷いなと思ったシーンでした。

分かるけど必要だったかな?と思います。

また、オープニングに「社会の縮図」「身分制度」と煽り文句が出るように、この作品では「クラスのどういった立場にあるか」が重要になってきます。
繰り返されるいじめのシーンが、見ていてちょっと辛いですね。
主人公の今野水希は、中学生の時のいじめの体験から、常に人の顔色を伺って生活しています。
序盤に頻繁に登場する、「空気を読まなくては」といったセリフも、いかにも女子という感じで痛々しいと思いました。

終盤では各々が成長を見せ、水希も自分の価値観を取り戻していきますが、そこに至るまでが、主人公を見ていて辛い感じはします。

ただ、こうした胸糞が悪いシーンの積み重ねか、最終回はすっきりと見られます。色々と解決したね、とスカッとさせてくれる感じです。

窪田さん、こういう役多いよね!


また、個人的に印象に残ったキャストは、副担任の五十嵐を演じた窪田正孝さんと、神矢知恵子を演じた土屋太鳳さんです。

五十嵐はドラマのオリジナルキャラクターで、彼が電話連絡を怠った事から事故の発覚が遅れ、学校側の過失の隠蔽が始まります。
神矢が戻らない事で、子供だけになってしまった神矢の兄妹をフォローする中で、罪の意識が日増しに大きくなっていきます。

やっぱり大人になってしまうと、高校生の人間関係の話だけでは物足りないので、大人側にも葛藤するキャラクターがいたのが良かったと思います。

初めはやる気のない、頼りない五十嵐が、覚醒していく様子がよく表現されていたと思います。

余談ですが窪田正孝さんは、結構「実は罪を隠している」みたいな役が多いですよね。近年でも、「僕達がやりました」や「アンナチュラル」、「Nのために」、「デスノート」なんかがそうですよね。
なんだかそういう役が、回ってきがちなんでしょうかね。私は好きな役者さんなんですけれども。

最終的に謝るシーンも多く演じていらっしゃいますが、今回もいい謝罪っぷりを見せていました。


また、私はこの作品で初めて土屋太鳳さんを知ったのですが、神矢役はすごく良かったと思います。

神矢は序盤の水希と対極のキャラクターになっていると思います。
クラス内のスクールカーストから外れた存在ですね。
そういうものを「下らない」と一蹴し、自分の信念のみで行動しているキャラクターです。
ほとんど笑うシーンが無く、固い表情が多いのが特徴で、高校生らしからぬ洞察力と行動力で、生存者の命綱のような存在になっていきます。

三つ編みに眼鏡と地味な外見ですが、落ち着いて話す凛とした声色や、真剣な面持ちが魅力的だったと思います。

キャストは皆演技がうまい人達でしたが、土屋さんがいるとさらに安心感がありました。
「子供だけの世界での秩序」という感じの役どころだったためでしょうか。

土屋さんには、こうした知的でクールな役がぴったりだと思うのですが、神矢以降あまりやっていないように見えます。
もっとこういう役も見たいですね。

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