思っていたよりは面白かったです
この声ですっ
やっぱり気になるのは、誰がどんなキャラクターを演じるかという事ですよね?コミックではあたりまえですけど声は聞こえません。自分なりに想像していた声というものがあります。まず、鮫島蘭丸を演じられた置鮎龍太郎さんですが、思っていたよりちゃんと『蘭丸』でした。蘭丸の決して弱々しくはない凛とした佇まいや、時々見せる心細い感じを置鮎さんは見事に演じられていました。当初、置鮎さんが演じると知った時には不安でしたが、ここまでハマるとは意外でした。そして、その蘭丸を愛して愛してやまない円城寺圭を演じられたのは、OVAでは藤原啓治さん。CDドラマでは一条和矢さんが演じられていました。私はどちらかというと一条さんの方がピッタリだと思っていたので、DVD三作目となる『恋のからさわぎ』で藤原さんから一条さんに変わった時は嬉しかったです。それに、一条さんは原作者であるこだか和麻さんの実兄です。そういう意味でも、どんな声優さんよりも圭を理解してくれたのだと思います。更に更に私のテンションを上げたのは、荒木政則役の大塚明夫さんですっ。そうですっ。この声なんですっ。ずっとずーっと政の声は大塚さんだったら良いな。と、思っていたので大塚さんのお名前をDVD発売の広告で見た時には大興奮でした。ただ、唯一残念なのは佐賀野佳役の堀川亮さんです。佳の声はもう少し低い声をイメージしていたので、当初は「こんなの佳の声じゃないっ」と思ってしまいました。しかし、聞き慣れてくると「この声もアリかも」と思うようになったので、声優さんの演技力は凄いと改めて感心しました。それからというもの、原作を読んでいても佳の声は堀川亮さんで聞こえます(笑)。
パッケージ通りにして
あれだけ声は完璧なのに、どうして作画の方はあんなに雑なんでしょう?特に一昨目と二作目はパッケージとのあまりの落差に驚きました。蘭丸はまぁまぁ原作に近いと思うんです。でも、圭と佳はかなり違うような気がします。圭は確かに目付きは鋭く、どちらかというとヤクザ顔です。でも、あそこまでヤクザ顔ではありません。そして佳は大学生ながらかなりの童顔なはずです。なのにOVAではかなり大人びた印象に描かれてますよね?せめて顎のラインはもう少し丸くしないと佳には見えません。女性キャラはあれだけ美しく描けているのだから、男性キャラもそれなりに描いて欲しかったです。メインはあくまでも男性なのですから。『恋のからさわぎ』ではスタッフを一新して、キャラクターデザインも、それまで担当されていた美橋亜矢子さんから山本佐和子さんに変わりました。変わりましたが、やっぱり落胆の方が大きかったです。顔立ちについては、前回より離れてません?蘭丸も圭もあんなに穏やかな表情だったかな?ワガママな事かもしれませんが、もう少し男らしい顔立ちにして欲しかったです。唯一、麗奈だけが原作通りでした。それに、、身体が貧弱すぎます。特に蘭丸の身体はもう少し筋肉がないと、これでは普通の弱々しい受けキャラになってしまいます。顔立ちも大切ですが、スタイルも原作に忠実に描いて欲しかったな。DVDを購入やレンタルをする時に大切なのは、いかにパッケージと中身の作画が同じかという事です。中身を見てあまりにも違うと、「サギ」と思ってしまいます。
ちょうど良い
肝心なストーリーの方ですが、当初の作品は正直に言うとあまり面白くはありませんでした。内容もなんだか薄いような気がして、退屈でした。でも、『恋のからさわぎ』はなかなか見応えがありました。原作の中でもこの回が一番好きです。ゲイバーのマッチから圭が浮気をしたと勘違いをした蘭丸が家を飛び出して、一人で歩道橋に佇むシーンが特に印象的でした。彼の憂いを帯びた表情が何とも言えませんでした。そして、麗奈に声を掛けられた蘭丸が彼女(彼)に振り回されるシーンがコミカルで、蘭丸がとても楽しそうでした。そして、このシーンがあったからこそこの後のシーンがより生きてきます。必死に蘭丸を探しに来てくれた圭に本音をぶつけた時の蘭丸がとても痛々しく見えて切なくなりました。その時に、ただ好きという気持ちだけじゃ駄目なんだと知りました。男同士だからこそ考えなくてはいけない事もあるんだと感じました。作画と声が、原作で読んだ時よりも、よりこのシーンをリアルにしました。それに、二人のベッドシーンが思っていた以上にあっさりしていたのも良かったです。あんまり激しいと、そこばかり際立ってしまって、感動的なシーンも違って見えるからです。BLが原作だと難しいのかもしれませんが、これぐらいのバランスがちょうど良いなと思います。メインは決して主役の二人がイチャイチャする所ではなく、二人がどんな想いで惹かれ合い、その気持ちを伝える手段としてHシーンがあるのですから、内容の方をクローズアップして欲しいです。
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