探検漫画の金字塔!
ザ・探検漫画、しかし・・・
近年、ここまでの探検漫画があっただろうかというほどの衝撃がこの作品にはありました。物語の導入から既にワクワクが止まらない、人類の弱さをまざまざと見せつけてくれる圧倒的演出と設定は他の追随を許しませんでした。
惜しむらくは、画力にあるかなと感じます。もちろんプロの作家さんですから、素人がとやかく言うことではないかもしれませんが、いかんせん、他作品と並べた時の拙さがあるように感じます。特に人物を描く際の頭身に違和感が・・・。個性といえばそれまでですが、好き嫌いの分かれる点ではないかと感じます。
しかしながら、それを補って余りあるその世界観は人類を引き付けてやまないのではないでしょうか。正にマグメルと同じように。
探検漫画の魅力、この作品は?
探検漫画は未開の地が主な舞台となりますが、その魅力を大きく左右するのが生物の描写や設定ではないかと思います。異世界モノでもそうですが、生物の描写はどうしても既存の生物や空想上の生物をモチーフにしたものになりがちです。しかし、この作品はその固定観念を見事に破壊していると言えるでしょう。それぞれの生物の大きさや姿形が特徴的かつ独創的に描かれており、本当に未開の地を探検している錯覚に陥らせてくれます。やや、同じような姿をした生物も見受けられますが・・・。
どんどん複雑になっていく設定に・・・
探検漫画のもう一つの魅力としては世界観ではないでしょうか。この作品は未開の地が出現するという設定としており、その地を世界中の人が探検するという実にシンプルなものとしてスタートしました。次々に現れる未知の生物や資源、人類を拒絶する自然環境が探検心をこれでもかと煽ってきます。
しかし、徐々に明かされるていく謎に伴い、複雑化していく勢力図と人物の相関、伏線もこれでもかと張りに張り、過去の描写も入り混じる。しっかりと読み進めなければ理解が追いつかず、物語に置き去りにされる危険性もあるまでに複雑化してきました。
設定に負けてしまい、伏線だらけのまま終了してしまう作品も多いのが探検漫画の怖さです。是非、この作品には伏線を回収しきり、綺麗な完結を目指して頂きたいと切に願います。
誰もが憧れる未開の地への探検を見える化、その難しさ
未開の地、未知の生物や資源、未だ見ぬものにはロマンがあり、誰もが憧れを持つことでしょう。それをここまで見事に作品化した漫画は数少ないと思います。しかしながら、このような作品を作る事が既に未知への挑戦だと感じます。その挑戦している姿もまた、作品に投影され、魅力的に見えるファクターになっているのではないでしょうか。
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