人間観察をトコトンやってみると愛しさが残る事を教えてもらった
超マイペースな大学教授が、家族や周囲の人の意識を変えていく
毎日決まった時間に起きて寝る。道の曲がり角は直角に曲がり、早足で一直線に歩く。真面目を絵を描いた柳沢教授。彼は4人姉妹のお父さんで、奥さんはいつも教授のマイペースに振り回されて大変そうだ。そんな彼は「気になること」を解決する為には努力を惜しまない。その主な事が人間なのである。教授の「興味の対象」になった人は、最初は大体肝を抜かれる。何故なら教授の行動が普通の人が避けるような事であったりするから。教授に関わった人の考え方が、爽やかに変わっていく過程が素晴らしい。ちなみに作者のお父さんがモデル。羨ましいけど、実際は大変な事も多かったようだ。確かに、振り回されそうだけど、自分を肯定してくれるのではないか。何を言っても「興味」に変えて、しつこい位追求されて、こちらが根負けするけど、決して否定をしないのではないかな?人間関係に悩んだ時に読み返したくなります
教授を取り巻く人々
面白すぎる。真面目な人が人間観察するとこんな感じになるのか。主人公の柳沢は、おじいちゃんと呼ぶには申し訳ない位、背筋が良い大学教授。いつも周りがそのマイペースさに振り回され、時には怒る。怒られてる本人は「何故、怒っているのか?」とその理由に興味を持ち、研究を開始するのであるから、タチが悪い。でも彼が本気で自分について考え、トコトン追求してくるので、意識が変わっていくのである。一話完結が多いので、スキマ時間にサラリと読めます。
こんなおじいちゃんが欲しい
マイペースを絵に描いたような主人公、柳沢教授。彼の孫のハナコはおじいちゃんが大好きでいつも周りをちょこちょこ。おじいちゃんが難しい本を読んでいるとハナコも分厚い本を持って来て、横に座って読んでみる。でも理解出来なくていつの間にか寝てしまう。仕方がない。まだ幼稚園児なのだから。
ハナコが教授を好きなのは多分、人間扱いしてくれる所だと思う。幼稚園児にもプライドがあるので、甘やかされたり子供扱いされるのは嫌なのだろう。なんだか分かる。自分にもこういう気持ちがあったなあ。
教授は誰に対しても平等で、寛容だ。しかし、人の気持ちに鈍感なところもあるようで、例えば、妻の正子には迷惑のかけ通しだ。大好きな本を大量に買って来て、生活スペースを無くしたり。子育ても正子に任せきり。なのに正子は「はー、全くお父さんは」と呆れはするものの、本気で怒らない。多分怒っても仕方がない事が分かっているから。そう、教授は変わらないのだ。教授は教授。真面目で誠実だからこそ、少年のような好奇心を持ち、関わった人の意識を変えていく。周りにも、似ている人がいて、その人と喋ると全てを見透かされているようで緊張してしまうのだが、同時にアドバイスを求めてしまうのだ。こんなおじいちゃんがいたら、私もハナコのようにマネして、引っ付いていくだろうな
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