麻枝准の魅力が詰まっているが、、、、 - Charlotte [シャーロット]の感想

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Charlotte [シャーロット]

3.503.50
映像
4.50
ストーリー
4.50
キャラクター
5.00
声優
4.50
音楽
4.50
感想数
1
観た人
2

麻枝准の魅力が詰まっているが、、、、

3.53.5
映像
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
声優
4.5
音楽
4.5

目次

やはり麻枝准作品

この作品はやはり麻枝准作品だなと思わせる演出や設定がとても多いと感じた。その要因は多くあるがまずは、登場人物である、毎回のごとく麻枝作品は登場人物が人間くさいのである、そしてほぼ全員が訳ありであり問題を抱えているのである、闇があると言った方が正しいのかもしれません。今作もその例外から外れず問題だらけである、友利の兄の問題しかり主人公の性格といい通常の人間より闇が深い印象である。それこそが麻枝准作品の魅力なのかもしれないが、やはり疲れるアニメである、最近はやりの夜の暗いドラマのドロドロと少し似た感覚に襲われる作品である。

友利の魅力「戦闘少女」

ヒロイン?であるところの友利は今や典型であるサブカルチャーで言う所の「戦闘少女」と言ったところだろうか、わかりやすく言うと「プリキュア」や「魔法少女まどか☆マギカ」という作品の設定である「強い女性」という意味である。世の中的にも「強い女性」というのは市民権を得ていて、すでに定番化しているほどである。友利は「戦闘少女」の要素を色濃く持っており、男勝りで、熱く、そして肝が据わっているのである。そのような女性の需要が高まりアニメ好き女子の人気も多く集めるキャラがいるというのは、最近の傾向ではないだろうか?主人公との絡みも濃厚であり、主人公の成長には欠かせない重要なキャラの役割を全うしていると感じた。また声優の佐倉綾音さんのハマり具合も目をみはるものがある。様々な幅の役ができる声優だがやはりこのような強い女性の役がぴったりはまる声だと、再認識した。このようなはまっている声優がいる作品はすごく魅力的である。個人的に一番目を見張ったのは友達を見捨てた女の子を説教するシーンである、つかみ掛かって怒る演技が凄まじく思わず圧倒されてしまったのを覚えている。

賛否両論の、神アニメ。

この作品は賛否両論だと言われている、問題のラストも含め、一番の問題は最後のテンポである。急ぎすぎたという意見が多く実のところ私も同じ意見である、3話くらいでやる内容を1話に固めてしまった印象がすごくある。別の視点から見て、削って良い話数があったかと考えるとこれが難しい点であり、全く無いのである。もちろん野球回などあったがあれは削るべきでは無い思う。なぜならバランスがやはり大事だからである。後半の密度が濃かっただけにもっと味わいたかった視聴者も多いだろうがこれは仕方ないとの一言といっていいだろう。もっと引き伸ばしたゲームや小説など存在していたらすごく読みたいとの願望もある。テンポについていけない視聴者も多く、酷評されることも多いアニメであるがしかし、酷評も絶賛もされないアニメよりも個人的な賛否両論の作品の方が面白いと思う。昆陽な理由から私はこのアニメは神アニメだと思う。

曲がいい!

作画、音楽共にかなりクオリティが高く、特に音楽の中でもBravely Youがよくできていて、charlotteを全話観た後に歌詞の意味を考えながら聴いてみるとフラッシュバックのようにシーンが流れ、この曲の魅力と共にこの作品の魅力も増長して着れるに間違いない。背景音楽も大変あっていて素晴らしい、サントラを買って聴いてみてもシーンが思い浮かび面白いかもしれない。劇中歌のジエンドの曲も素晴らしい完成度である、豪華な劇中歌は最近のはやりなのだろうか。

コメディタッチ

シリアスな内容に見え隠れするコメディ要素。なぜ、こんなにも寒いのかという意見も目にするが個人的には面白かったと思う。特に高城丈士朗のボケはとてもぶっ飛んでいて個人的にはかなり好みである。主軸がシリアスで重い内容も多いのでちょうど多いのでちょうどいいのでは無いだろうか、過去作品のエンゼルビーツとも同じバランスの取り方をしているので、この作者の定番のバランスの取り方なのではないだろうか?

人間臭さ

非常に人間くさいのが魅力とも上記で挙げたが、主人公のゲス感は個人的にとても人間くさいを思い共感もて、特殊能力をもつ思春期の男子がやりそうなことを全部やってのけるあたりはすごくリアルで人間くさい印象である。そのスタートから様々なストーリーの中で成長し最後には世界を救うと言った流れであり、一種の校正ドキュメンタリーを見ているような感覚になった。途中で病んでしまうというのもリアルで、なかなか復活しないというのもとてもリアルで人間くさく好感が持てた。この作品には嘘っぽいところがあまりなく、ごまかしが極端に少なく、登場人物の感情は極めてストレートである。一言に重みがあり心に残るいいセリフがたくさんある点を見てもこの作品は非常に愛されるアニメだと個人的に思う。

報われない展開

このアニメは虚しいくらいにリアルである。妹が死んでしまう展開や、完治しない病、鬱なと生々しいくらいに現実をぶつけてくる。この展開は正直きついものがある、妹が死んでしまった時には誰もが救いの展開を求めた(結果的に救いはあったのだが)。視聴者の意見には「恐らく主人公含めもう少し報われてほしい」という意見も多いだろうがそれで良いのだと思う、不思議なもやもや感が残る作品というのは貴重である。徹底したリアルさがあり救いが無い展開も多々ありなかなか心くる内容だろうが。メッセージ性や作品性を考えれば納得いくストーリーや展開だったと個人的には思う。だからこそこの作品の世界観にはなんとも言えない透明感があるのは無いのだろうか。一つの世界観としてリアルで筋がここまで通っている作品は無いだろう。

最終回を引き伸ばしたとしたらどうだろうか。

一番の酷評の原因である最終回問題に切り込んでみよう。改めて最終回を別視点から見てみたところ、引き延ばす箇所は全く無いとの見解に至った、確かにゆとりが無いかもしれないが無駄が無いとも思った、実際世界編を3話くらいにしたところを想像すればその意味は明確です。そう断言する理由は「このアニメは超能力ショーでは無い」からである、確かに主として超能力は大きなポイントとしてあげられるだろうが、この作品で描かれているの大きなポイントは「思春期×超能力」なのである。その人間の心情や行動、葛藤、欲望などが揺さぶられる様が描かれていることに意味があるのだ。この破綻はそのメッセージ性が生み出した、正しい破綻なのである。物語としての心地よさを取るかメッセージ性をとるかというのは大きな論点であるかと思うが、物語としての心地よさを優先するアニメが多くなってきたアニメ界でこういった貴重なアニメを生み出してくれる大事な存在であると思う。

定番なのか

超能力が設定としてあり学園モノであることからよくあると評する意見もありもちろん私も始めはそう思ったが、そこでは終わらない魅力があったと思う、先ほどもいったが「このアニメは超能力ショーでは無い」等のが大きなポイントだろう。今までの定石であれば、大きな的に立ち向かい勝つというのが定番なのであろうが、このアニメには敵はいるのだろうか?という不思議な疑問点が残る、超能力を使ってしまう子供は悪いか?それを利用する人がいるのは普通だと思う。そう、人間としてのリアルで正直な展開なのである。これは最終的に主人公は敵を倒したのではない、全てを背負ったのである。なんとも救いが無い展開であろうか。それこそが定番では無い理由である。

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