青春のすべて
すべての人に共通する人生の道しるべ
スパニッシュアパートメント要はスペインのアパートこの一室の出会い、そしてそこで繰り広げられるストーリーはどんな人にも経験する感情が交差している。
人生には人との出会いを無くしては進まないし始まらない。この一室にはさまざまな人種が居て文化も違うし言葉も違う、生活環境や、嫌いなもの好きなものも違う、嫌いな人好きな人変な人その中で自分は中心に居て影響され続けていく怒りや喜び悲しみ楽しみ人生を共有していく。日本はここまでグローバル化が進んでいないが、日本にはほとんどが同人種であるが様々な考え方の人もいる。どのような立場で見るにせよすべての人、男性も女性も老若男女共感できるストーリー展開がある。
皆自分のやりたいことを貫くべきだ
皆共通しているのは学生を卒業したら社会に出て会社に入り立派に働くレールが敷き詰められている。
主人公も然り、大学を卒業して親のコネで会社に入るつもりだ。そこで会社に入る前に将来を見据えてスペイン経済の勉強をしておけと言われ短期留学することに、もちろん決心し行くことになるがどこか主人公グザヴィエは口にこそ出さないが苛立ちが隠せない親に当たり恋人に当たり行き場のない感情が渦巻いているとうとう行きの飛行機の中で人知れず泣いてしまうのだ。
スペイン留学終了後、彼は会社に招かれオフィスには自分の席がありひはらしのいい席が用意された、しかし彼は留学でさまざまな人に出会ったそして学んだここは自分の居場所じゃないと確信し、会社を飛び出し昔からやりたかった事、脚本の制作をする道を選んだ。
作られた脚本ではなく生の脚本
作者セドリッククラピシュは三部作として自分の半生を脚本にしている、この作品を合わせて『スパニッシュアパートメント』『ロシアンドールズ』『ニューヨークのパリジャン』で三部作である。説得力のある作品そして役者も同じ情熱のまま三部作に登場させている点で面白い。空想で作られた脚本には粗があり見ていて何故という感情が作品をだめにしてしまうがドキュメント仕様で作られた脚本は常に映画の魅力を引き立たせるものなのだ。
昔の映画脚本に比べて現代では飛び切りのアイデアや全く予想できない展開を求められるために突飛な作品を作ることが求められてしまう、なので余程の作品でない限り粗がどうしても多くなってしまう。映画としての魅力が出てくるのは脚本家がほんとに感じた生の感性がいかされた作品であろう。
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