美化されてはいたが演出でカバー
主人公の描き方
自分で茨の道を選んだんだからと、逆境にもへこたれずに信念を貫き目標を達成する奮闘ぶりが目立っていたが、あまりにも破天荒で型破りな人物像だった主人公に、視聴者は共感しづらいのではとの印象を受けたが、「柔らかい心を忘れない」という一つのこのドラマのテーマが随所に埋め込まれたエピソードが、結果的にあさという主人公を引き立てていた様に思う。
夫婦愛の描き方
主人公が嫁いで来た頃は、女として全く相手にしていなかった夫が、主人公が新撰組に啖呵を切った事がきっかけで「惚れ直してしもた」と認め始め、家を放ったらかして仕事に夢中の主人公を、最期まで理解し見守り支えるよき夫として非常に美化された夫婦愛を描いている様に思った。いくら働く嫁さんが好きとはいえ、あんなに夫婦の時間を後回しにされて病気で余命わずかになるまで「夫婦の時間」を犠牲にしてきた事に本当の意味で気づかなかったあさへ、何故あんなにも愛情を捧げたのか。それが夫の柔らかい心だったのか……そのひたむきなあさへの愛情がラストシーンの再会時の感動に繋がり、実際心があったまるような幸せな気持ちになった訳だが、今思うと出来過ぎた旦那だし、主人公は特別に恵まれ優遇された環境であったから結果的に上手くいった面もある気がした。
イケメン男性陣
玉木宏さんは、品のある麗しい旦那を非常に丁寧に時にコミカルに上手く演じていた。「絵面が美しい」「朝からイケメンが拝める」「玉木宏のために毎朝観ている」などと、主人公あさ以上に視聴者(特に若い女性陣)の人気を集めていたようだ。
同時に恋敵役で主人公の道を照らす人物を演じたディーン・フジオカさんも、このドラマのイケメン二枚看板として女性視聴者の注目を集めていた。少しカタコトなイントネーションの変わった話し方も、外国帰りの五代を演じる上で、異国風な雰囲気に効果的だった。
個人的にジャニーズWESTの桐谷照史さん演じる、ヘタレ弟が頼れる加野銀行頭取になるまでの成長ぶりに驚いた。あまり俳優業のイメージがなかったので、関西出身だから起用されたのかな…くらいにしか思っていなかったのですが、上手く演じていたと思う。
男性陣最大の一押しは工藤阿須加君。
真面目で将来有望な好青年が非常に板についており、後半を盛り上げてくれた。この時代の若者らしさが初々しくて、主人公の娘との恋愛模様も程よくクローズアップされて描かれていたので、割と関連のエピソードは楽しみにしていた。
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