双子と家族とマルモの絆
子役の演技力は大人顔負け
なんといっても注目してほしいは子役の演技力だ。芦田愛菜ちゃんと鈴木福くんの愛らしさはこのドラマを一層引き立てている。福くんは子どもらしさを存分に出していてリアリティがあった。熱を出すシーンも弱った演技が味を出している。芦田愛菜ちゃんもそうだ。泣く演技の多いこの作品だが、大人顔負けの演技力だ。
母親と子どもの心情をリアルに
中身に関して言えば、家族愛を感じさせつつ、家族の在り方を考えさせられる作品だ。赤の他人から家族へと成長していく様子が実にリアルの描かれている。気になることと言えば、実の母親の存在だ。育児ノイローゼとなり、子どもを置いて出ていったことを後悔していた。子どもたちにとったら自分たちを置いていった母親を許すことなんて出来るわけもない。そういった微妙な心の描写が描かれていなかったのは少し残念だ。
だが、マルモが親になっていく姿は実にリアルに描かれている。
初めは、憧れの女性とのデートに浮かれ、熱を出した子どものもとに帰らなかった。しかし、双子が自分にとって大切な存在だと分かったマルモは、ずっと好きだった女性と別れることになっても双子と一緒にいることを選んだ。
このシーンは、マルモと双子の絆が深まった証だ。
いらない家族なんていない
そして、なんといっても1番盛り上がるのは最終回だ。薫と友樹を母親のもとに返すと決めたマルモの決断は、やっぱり正しかったと思う。
ただ、私は友樹とマルモの会話が耳に残って離れない。
「マルモと離れるくらいならママなんていらない。」「友樹、ママをいらないなんて絶対言うな。家族をいらないなんて絶対言うな。」
友樹にとってのマルモがどんなに大切な存在かわかるセリフだ。本当のママよりも数ヶ月一緒に過ごしたマルモとの日々が友樹にとっては大切だったのだ。
怖がりで甘ったれだった友樹が初めてぶつかった。それほどにマルモと別れるのは辛かったのだろう。
そして、それを分かった上でマルモは言ったのだ。家族をいらないなんて言うな、と。
これは、深い言葉だ。家族には、自分の意思とは関係なくある日突然なる。こんな家族は嫌だ、と一度くらいは誰でも思ったことはあるだろう。
だけど、それでも家族であることに変わりはない。いらない家族なんていないのだ。そんなことを考える言葉だった。
最後に、全体評価をしよう。この作品は各回ごとに名シーンと言える部分があり、感動的な作品と言える。
そして、ただ泣かせるだけでなく、笑いもあってバランスの取れた作品だ。
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