『あそびあそばせ』オリヴィアがワキガだっていいじゃない - あそびあそばせの感想

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あそびあそばせ

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画力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
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『あそびあそばせ』オリヴィアがワキガだっていいじゃない

4.54.5
画力
4.5
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
設定
5.0
演出
3.5

目次

ワキガ臭を許さない、日本社会の恐怖

体臭とは恐ろしいものです。自分の匂いを臭いと感じることはまずありません。もしあるとすれば、糞便でも漏らしているのでしょう。

持って生まれた体質は、ほとんど変えようがありません。自分ではどうしようもないことを他人から指摘されると、人は怒るか落ち込むしかできません。
民族別の体臭の有無を調べると、黒人は100%、白人は70~90%、日本は人10~15%、中国人3~5%の割合でワキガ体質らしい。日本人も10%以上ですから、10人にひとりならば、結構大勢います

CMではデオドラント製品をさかんに宣伝しています。
有名なところでは、サイコパス俳優の伊藤英明が素っ裸で怪演している、あの製品があります。「臭わない~」ことを目標とするのは、生物としておかしいのでは。

体臭をこんなにも心配しなければいけない社会もどうかと思います。

何故こんなに気にするのか。もちろん、日本以外でもデオドラント製品は販売されていることから、海外の人も体臭には注意しています。
しかし、例えば欧米の国々では、日本人ほどに体臭を問題視することはありません。最低でも人口の70%以上がワキガ体質なので、日本人のように無臭になるまで努力していたらきりがないからでしょう。

美少女オリヴィアのアクポリン腺臭

『あそびあそばせ』には、本田華子、オリヴィア、野村香純の女子中学生が登場します。
3人は一見美少女ですが、性格に問題があります。

オリヴィアは日本生まれの日本育ちですが、両親は白人なので、体質的にワキガです。
金髪碧眼の美少女であっても、仕方がないことです。

金髪碧眼の美少女がワキガ持ちの設定とか、ある意味酷い。
作者の悪意が感じられます。

友人の本田華子、野村香純は本人を傷つけまいと黙っているのですが、生徒会の秘密記録に、「オリヴィアは、腕とオッパイの間からスパイシーな香りがする」などと書かれていたためにバレてしまいます。

絵柄的には可愛らしい、少女雑誌風の漫画なのに、ストーリーやキャラクター設定がシュールなので、そのギャップに笑えます。
巷間で“表紙詐欺”と呼ばれているのは、伊達ではありません。

男も女も年取ると臭くなる

生き物にとって匂いとは大切なものなのに、何故無臭な人間を目指すのか。
脇の汗を発生させるアポクリン腺は、生き物としては大切な機能なのですが。

日本人社会は、多数派が「普通」を決めることが多い。どこの国でもその傾向はあるのですが、特に島国の日本は厳しい環境です。
「普通」になろうと努力して、苦しむ人も多い。

10代の頃、柔道部だったのですが、男子柔道部や男子剣道部の部室の匂いは、ひどいものでした。
汗だらけの道着をそのまま放置しているために、すえた臭いが充満していました。

あるとき、女子剣道部の部室に入る機会がありました。無断で忍び込んだわけではありません。女の友人が剣道部だったので、片付けを頼まれて一緒に入ったのです。あまりにいい香りに、女の子はこんなに違うのかと感動した記憶があります。
男子と女子は別の生物なのだと。

しかし、よく考えてみると、単に女の子は、男より「普通」になる努力しているだけなのです。
おっさんやおばちゃんになれば、誰もが臭くなるのも知らずに。

ロシアでは女性の髭も美しい

ロシアの文豪、レフ・トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』には、アンナの頬に髭が生えている描写があります。トルストイは美女の表現に髭を使ったのです。
体毛の濃い人種であれば、女性の髭も魅力的なのです。

そういえば、戦場カメラマンの宮嶋茂樹が、ロシア女性とのベッド内の体験を書いていました。
名前はゾーニャとか。体毛が濃いので、彼女の上で身体をゾーニャゾーニャと動かす度に血だらけになったらしい。宮嶋氏はそれを楽しんだようです。

人口の大部分がワキガ持ちであれば、ワキガ臭も魅力の1つになるかもしれません。

平安貴族も臭かった

かつて、日本でも、平安貴族は身体を洗ったりしないため、皮膚病だらけだったと記録に残っています。お湯につかる、現在の入浴形態が確立したのは、江戸時代中期からです。
シラミやノミもたかり放題なので、痒みはもちろん、身体が臭いのは普通のことでした。

光源氏が通っていた女性はさぞかし、垢だらけだったことでしょう。もっとも、通婚(かよいこん)の最中は、相手の顔も見えない暗闇なので視覚的に汚れは見えません。
ただ、やはり臭かったのか、香を焚いて匂いを消していたようです。
貴族のお香はそのために発達しました。

それでも、オリヴィアのワキガ臭ネタは楽しみ

男女間で、
「お前、ワキガ臭いのちゃうか」
「そう?ええやん。嫌やったら、私から離れたら」
「いいや、別に嫌じゃないよ、君のこと好きやから」
「それなら問題ないやん」。
こんな会話が普通にできる日本社会も、気楽でいいと思うのですが。

ただし、『あそびあそばせ』はまだ連載中なので、金髪美少女オリヴィアのワキガ臭ネタが何度も出てくると予想されます。屈折しているようですが、それはそれで日本人ならではの楽しみなのです。

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