ほっこり日常ドタバタ系アニメ
最近の日常系アニメ
最近のどんなアニメ作品やライトノベル作品にも言えることだが高校生などの「恋」について描かれている作品には両親という描写が泣く、だいたいが男の子がほぼ一人暮らしというパターンが多い。やはり両親という存在が学校以外での日常といった場面までを面白おかしく描くのに多少なりとも不都合があるのと、自信が当時、学生だった時の理想や妄想が描かれた結果がこのような傾向として表れているのだと思います。
そんな作品たちの中でも本作の登場人物たちは両親が事故で亡くなってしまったり、幼いころに捨てられてしまったり仕事でほとんど会えないといった状況で描かれているのでそういった家庭環境を考えると少し境遇が重く、物語として暗くなりがちになってしまうのは少し新鮮味がありましたがやはりアニメなどの創作の中では幸せで楽しくありたいと思います。
それでもなお本作がこのような環境設定にしたのはやはり似たような設定の作品が多く、ありきたりな設定として数多くある作品のうちの一つとして埋もれてしまわないようにと考案した結果となっているのではないでしょうか。
よくある恋愛系アニメの定番としてあるのが主人公一人+その友人の男キャラ、ヒロイン3人から5人といったキャラクター構成でそのヒロインもだいたいが正統派、ツンデレ、無口、お嬢様といったパターンができてしまっているのが昨今のアニメ業界としては目新しさに欠ける点であるといえますがむしろそのパターンがある意味、鉄板であるとすると今後のアニメではそのパターンを崩し、かつ物語としても面白い作品が出てくることを期待したいと思います。
魅力的な日常
本作を視聴した後では自分もこんな青春を送りたかったとかこんな学園に通ってみたかったなどと思う方も少なくはないと思います。私自身、こういった日常系、学園アニメが好きな理由としては自身が体験できなかった青春時代をアニメという形で追体験できるというのが最大の理由であると思います。本作のような幼馴染とする登下校だったりお金持ちの友人とのちょっと突飛な旅行などの経験だったり、魅力的な異性との出会いだったりというのを実際に学生時代に経験できた人はどれだけいるでしょうか?おそらくはほとんどおらず、もっと小規模だけど楽しかった青春を過ごした方のほうが多いと思います。そんな青春時代を夢見ている人にこそ本作はより魅力的に映ったのではないかと思います。
本作はライトノベルが原作とのことだが昨今のアニメ化作品の例にもれず、漫画やラジオなど様々なメディアミックス展開もされており、特に漫画では同出版社である集英社のパロディが数多く行われており、その中でも「To LOVEる」の蜜柑がストレイキャッツのお客さんとして登場したときは思わず二度見してしまうほどにびっくりしたのが印象的でした。こういったコラボがもっと増えると作品同士のつながりからより多くの作品を知ってもらう機会が増えるのは良いことだなと思いました。
特異なアニメ構成
本作では各話ごとに製作監督が代わるといった珍しい方法をとっているのが個人的には印象に残りました。原作からのファンの方からは分かると思うのですが最初のエピソードと最後のエピソード以外はほとんどがアニメオリジナルエピソードとなっており、全体的なストーリー展開というのがあまりうまくいかなかったのではないかと思いました。製作協力も毎回違う会社が手掛けているのも気になりましたがおそらくは大人の都合というところでファンのことをあまり考えず、強行的な意味でアニメ発表となったのではないかと思いますが、作品のファンとしてはその作品の魅力を最大限活かした作品作りをしてほしかったです。
当時なかなか浸透していなかったED後の次回予告やジェンガのシーンでは3DCGの起用も目新しさという点ではよかったと思います。アニメらしからぬスムーズな動きや表現などは魅力的だと思いますが製作側からしてみればそれに合わせた背景づくりから各キャラクターのモーションやテクスチャといった費用対効果を考えるとアニメ制作会社からのアニメでは難しいのかなと思いますが動画サイトなどでは有志のかたによる二次創作の3DCGのフルアニメーションなどが公開されていることもあり、今後のアニメ業界の発展にも期待ができます。
特に七話にて急にロボットアニメに変わった際には違うアニメになってしまったのではないかと確認をしてしまうほどで一話まるまる使ってしまったのはもったいないなと思いました。それならばオリジナルストーリーをほとんどカットしてしまい、その分の尺を後輩である十和野心や柴田くんのエピソードを描いてほしかったなと強く思いました。
原作も12巻にて完結という形をとってしまったので今後の発展は見込めませんが、何らかのかたちでまた本作を楽しみたいといちファンとして強く思います。
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