ストーリー秀逸!当時の不良漫画好きには大好物作品になることまちがいなし!
80年代の不良漫画のお手本ここにあり!
男なら誰もが強いものに憧れるとものだと思いませんか?私はそう思う。本作は主人公はまったく喧嘩が弱いのですが、はったりだけで次々に登場するヤンキーや猛者達を支配するという、これまでになかったアイデアがとてもバイオレンスを感じる。ライバルとなるヤンキー達は皆とんでもない喧嘩の実力者ですが、これを表現する描写が実世界での自分の体験した事とも重ねる事ができ、親近感がわきます。「あ、こういうヤンキーいるいる。こんな無茶する奴いるよね」というふうに、ストーリー性も抜群なので共感できるし、どんどん次の話が気になってのめり込んでしまい超興奮。非現実的な描写だけではなく、80年代の田舎の不良高校だとよくある話を形にしてくれて、読みやすくなっているという部分も大きく評価されていいと思います。こんなに強い不良いたのか?と思って見ていると、その人物を簡単に倒すもっと上の存在がどんどん出てきて、「強さへの憧れ」が本作の良さを増幅しているように感じます。画力は平均ですが、それを遥かに上回る演出があるので、まったく読みやすさへの抵抗はありません。それよりも所々に垣間見られる風景やちょっとした一コマにとてもよいアクセントになっています。登場するバイクや車など当時のヤンキー特有の車種だったりするので、読者も「ニヤッ」とするでしょう。今では考えられない設定ですが、昔自分がやんちゃだった頃の思い出は決して否定するもではなく、むしろ勲章として誇りに思ってます。そのようなことを思い出させてくれるとても優秀な漫画だとおすすめできますね。
個性あふれるキャラクターと適度な下ネタと感動するストーリー
主人公のライバルとなる各校の番長や暴走族のリーダーはどれも個性派揃いです。男から見てもカッコいい(今の時代だとダサい)人物がたくさんいます。ほとんどの人物がヤンキーの理想型という言葉がピッタリで、「今度はどういう喧嘩を見せてくれるのか」「どういう展開で話をまとめるのか」という視点で読むと更に面白いです。そして何よりもすぐに覚えることのできるインパクトの強さ(喧嘩の強さだけではない)と画風とセリフのバランスの巧みさが抜群です。現実世界にこのようなヤンキーがいたらどうなるんだろうと読者も勝手に妄想を膨らませ楽しむ事ができます。一般的なヤンキー漫画にあるようなギャグ部分や女を含めた下ネタ部分もいいセンスしています。しかしながら、ヤンキーに迫られる恐怖と直接絡ませることはなく、読んでいてしらける事はありません。全体的にキャラクターに切れ味があるのが個人的には魅力のひとつです。それぞれの個性がとてもよく引き出されていて、切れ者同士が融合(喧嘩・対立)した時に起こる現象が漫画の域を超えてるといっていいほど、読み手もゾクゾクします。一見読みやすい漫画ですが、とても話の奥行きが深く、繰り返し読んでもまったく飽きる事がありません。結局主人公自身が成長して強くなっていくというタイプの漫画ではないので、主人公の活躍よりも脇役がフューチャーされ引きだっています。このようなタイプの漫画は先が読めない点も含め長く愛される漫画の傾向にあると思います。キャラクターは暴走族のほかに反社会勢力をもまきこんでストーリーが展開されるのですが、その人物がいちいちカッコよくて、名前にも味があって魅力的なんです。カリスマ性も大事なキーワードのひとつです。現実と同じように喧嘩が強いだけでは、信頼されるリーダーにはなれません。ほぼ全ての登場人物にカリスマ性があって、ひとつのセリフの言い回しだけをとってもかっこいいと思えます。もちろん主人公を中心に話は進みますが、リアリティーもあり、実際に喧嘩で負けることもあります。本来なら仕返しという単純な手法で進んでいくのでしょうが本作では色んな要因が複雑に絡みストーリーが進んでいきます、それなのにとても読みやすいので、多くの方に人気が出たのでしょう。不良といっても喧嘩ばかりではありません。感動するストーリーや意外性のある展開も絶妙なタイミングで発信しています。喧嘩のマジな部分とギャグやそれ以外の緩急が効いたストーリーがたまらない魅力なのです。
自身の青春時代と重ね合わせる事ができる代表作
キザという言葉は現代では敬遠されがちでしょう。実際本作ではかっこつけすぎて恥ずかしくなる部分が多々あります。しかしながら80年代の厳しい学校生活を生きてきた人間からすると、本作はキザという言葉で簡単に片付けてほしくないという印象です。逆に80年代のヤンキーを知らない若い人に見てもらいたい作品です。理解できない部分もありますが、必ず「ハマル」部分も多くあると思います。もちろん現代の不良系漫画には良作はたくさんありますが、この作品から影響をうけた作者さんもたくたんいると思います。それぞれの青春時代と比べて「本当の男の生き方」を学んでもらいたいです。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)