あだち充の代表的傑作!『みゆき』の他作品を比較してみた - みゆきの感想

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みゆき

4.004.00
映像
4.50
ストーリー
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キャラクター
5.00
声優
3.00
音楽
3.00
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あだち充の代表的傑作!『みゆき』の他作品を比較してみた

4.04.0
映像
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
声優
3.0
音楽
3.0

目次

あだち充の原点 その後発表される作品の伏線のような作品

『みゆき』は、あだち充の最初の代表作といえるような作品(また、Wikipediaには「妹萌えの原点」とも記されている)。

実際、このアニメは古いながら、ストーリー性の良さから最初から最後まで楽しく観ることが出来た。

また、この作品にはあだち充の後の代表作である『H2』や『クロスゲーム』に通じるものが見える。

本投稿では『みゆき』をあだち充の他の作品との比較を行なう。

H2やクロスゲームといった、他作品との共通点

『H2』とは、二人の野球少年と二人の少女の計4人を中心に展開される野球青春物語である。

また『クロスゲーム』は、主人公が亡くなった初恋の女の子を想いながら、ピッチャーであるその子の妹と共に甲子園を目指す物語である。

なんと、この作品に出てくるヒロイン二人に非常に似ているのだ。

まず、3作品共にヒロインが2名ずついるという共通点がある。『みゆき』は若松みゆきと鹿島みゆき、『H2』は古賀春華と雨宮ひかり、そして『クロスゲーム』は月島青葉と月島若葉(後に滝沢あかねという、似たようなポジションの少女が現れる)。

次に、どの作品においても、片方の子が天真爛漫なタイプであり、もう片方の子は大人っぽいタイプである。例えば、『みゆき』においては若松みゆきは前者で鹿島みゆきが後者である。他には、『H2』では古賀春華が前者、雨宮ひかりが後者であり、そして『クロスゲーム』では月島青葉が前者、月島若葉及び滝沢あかねは後者である。

また、「天真爛漫」か「大人っぽい」かによって、ビジュアルも似ているのである。まず、若松みゆきのような天真爛漫なタイプに関しては、髪はショートヘアであり、顔や表情がコミカルに表現されている場面が多い。一方で、鹿島みゆきのような大人っぽいタイプに関しては、髪はセミロングであり、そして目が黒めがちに描写されることが多い。

尚、物語における立ち位置に関しては、天真爛漫タイプが大人っぽいタイプに「敵わない」という感情を抱き、ほのかに嫉妬をしながらも人間として惹かれている。例えば、若松みゆきは鹿島みゆきに出自に関するコンプレックスを抱いている一方、自分の愛する兄を委ねたいと考えるあたり、信頼していると言える。

最後に、主人公と最後に結ばれるタイプも三作品ともに共通していると言える。

以上の通り、『みゆき』を視聴した後に『H2』や『クロスゲーム』を視聴すると、キャラクターの立ち位置から物語の恋愛に関する終着点に関しても大分予測が出来るのだ。

このように、あだち充の作品は「テンプレート化」していると言えるのに、それでも観衆を強く惹き付ける力を持っているのは非常に興味深い。

本作品と他作品の違い

本作品が表現したかったもの、あるいは教えてくれたこととは、何なのだろうか。

私はすなわち、「本心の愛には、無限の価値がある」ということだと思う。

上記では『みゆき』と他作品の共通点を考察したが、恋愛に関しては『みゆき』にしか無い側面がある。それは、主人公とヒロインが結ばれるにあたって、他者との信頼関係等を全てなげうち、犠牲にした点である。

例えば、『H2』や『クロスゲーム』においては、主人公とヒロインが結ばれるために払った犠牲など、特になかった。また、超有名作品『タッチ』に関しては、主人公にとってヒロインと結ばれること自体が目標であった。

しかし、『みゆき』に関して言えば、主人公の真人は恋人の鹿島みゆきを傷つけ、若松みゆきは沢田優一を傷つけるという「犠牲」を払った。真人も若松みゆきも、別に人を傷つけたかった訳ではないだろう。しかし、大胆にも結婚披露宴という場において、大衆の前で傷つけてしまった。そして、その後二人は逃げるかのように南の島に赴き、地味な結婚式を挙げた。

ただし、アニメや原作から見るに、結婚した真人とみゆきは、それはとても幸せそうだった。だからこそ、私は本作品から「本心の愛には、無限の価値がある」というメッセージが読み取れる。本作品は、このように他作品とは異なった終着やメッセージを持つからこそ、あだち充の作品シリーズの中でもひときわ輝くのではないだろうか。

鹿島みゆきが不憫すぎるのが難点

これは個人的な意見だが、沢田優一、そして鹿島みゆきの扱いが酷すぎる。

私のように彼ら彼女らに感情移入してしまった者なら、とてもムカムカしたのではないだろうか。

特に鹿島みゆきに関しては、真人と一緒のキャンパスライフに合わせるために、一年浪人した上に(合格はした)、更には大学のレベルまで下げている。

本人が自ら選択したこととは言え、ここまで尽くされたのに彼女を振った主人公は罪深い・・・

私の知る限り、あだち充作品に於いて、彼女ほど不憫なヒロインは知らない。

唯一の救いは、その後に沢田優一とロマンスが始まりそうな雰囲気があることだ。

頑張れ!応援してるぞ!是非報われて下さい!

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