父子家庭の一例を映画で表現 - 世界で一番パパが好き!の感想

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父子家庭の一例を映画で表現

3.53.5
映像
3.0
脚本
2.5
キャスト
3.0
音楽
3.0
演出
2.5

目次

悲しい現実のはじまり

この映画は、どこにあってもおかしくはない父子家庭のカタチを描いています。父子家庭・・それは離婚・死別などといった理由から起こり得るものですが、この映画の中では、出産による妻の死という悲しい現実からのはじまりになっています。本来ならば、喜ばしいはずの命の誕生が、悲しいものへと変わってしまう過程が見ているものに切なさや、悲しさを感じさせます。それは、命の誕生を喜ぶはずの父親の悲しみが、映画の中から痛いほど伝わってくるからでしょう。愛する妻と一緒に命の誕生を喜ぶはずが、妻を失った悲しみへと一変してしまう運命をどれほど恨んだことか、父親の気持ちを察することができます。そんな現実を恨みつつ、父親になった彼には容赦なく仕事と育児の両立が始まります。このことは、男親にとっては特別大変なものであるということが分かります。

育児のたいへんさについて考える

そんな最中、夫にはその後、仕事面においても不運が重なってしまいます。そして、それは、子育てがいかに大変であるか、子育ての疲れが及ぼす影響についても感じ取ることができます。残念なことながら、育児を楽しむどころか、疎ましく思えるそんな様子が伺えます。睡眠不足や疲労、思い通りにいかない育児の中で、夫婦が共に助け合えるということがどれだけ重要なことか、子育て中の人達に教えてくれることでしょう。また、子育て経験のある人にとっても映画の中の子育て奮闘場面では思い当たることが多いはずです。そんな風に振り返り、そして立ち止まって「子育て」について考えさせられる映画になっています。子育てと仕事の疲れから、周囲の人に心無い言葉を発した経験や、してはいけない態度をしてしまったことがあるという人は多いのではないでしょうか。それほど、育児は理想どおりにならないものなのです。この映画を見た男性は、女性の気持ちを理解し、女性は男性の存在の大きさに気付くのではないかと思いました。

育児がもたらす幸福

とはいえ、育児は大変なことばかりではないということは、多くの人が知っていることだと思います。大変な分だけ、幸せがあるのも事実なのです。それは子育てを経験した人ほど良く分かることでしょう。これから子供を持つ人達も、この映画の中からそんなステキな一面を知って欲しいと思います。父親となった彼は、子供を育てる過程の中で、何が大切なことなのか分かっていきます。子供の言葉や行動が、時として大人に何かを教えてくれるということがあります。また、父子家庭の中で育った娘も成長する過程の中で、親に対する感謝の思いが湧いてくるものであり、変化するものでもあるのです。現実では、映画の中とは異なり、さまざまな父子家庭のカタチがあることでしょう。その中には「反抗」・「憎悪」など良くない思いもある場合があります。この映画の中では決して裕福とはいえない家庭で育った娘が父を誇りに思い、信頼しているという点において心が救われる内容になっていました。そして、そうなったのは、彼の周囲にいた人達である父親や友人の影響によるものだということが感じられます。親は、つい自分の力で子供を育てなければと思いがちです。しかし、この映画を見ていると足りない部分はどんな親にもあるという事、そしてその足りない部分を補ってくれる横のつながりが大切なのだということを教えてくれます。もしかしたら、そんな環境で育つ子供の方が、豊かで幸せなのかもしれないと思いました。そして、どんなときも子供は親の背中を見ているのだということも感じられます。

今、世の中では「より良い暮らし」を求めることや「より多くのものを買うこと」などといったことを生きる目的としている風潮があります。一番大切な「心」を置き去りにしているように思えてくるのです。この映画の中でも、はじめは父親が「仕事」に重点を置いているのが分かります。その時「心」はそこに無かったのだと思います。だからこそ、失敗が繰り返されたのかもしれません。そして、周囲の人を傷つけることも多くなってしまいます。しかし、この映画からは「心の持ち方の変化」を感じ取ることができます。幸せを感じられる生き方というのは、心があってはじめて得られるものだと思いました。忙しい世の中だからこそ、そんなことを感じ取れる人が一人でも多ければと願います。「父子家庭」というと、どこか寂しげな感じがしますが、この映画の中の父子家庭は見ているうちに、明るさが感じられるようになっていきます。「人の運命はどうなるか分からない」そう悲観的に感じてしまうスタートですが、最後には良い意味で「人の運命はどうなるか分からない」そう感じさせてくれるものでした。このことから、得られたのは「どんな時も心をしっかり持って感謝を忘れず生きる」ということです。そうすれば、自分に起こる不運な出来事も乗り越えられるような気がしてきます。

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