笑いあり、涙ありの王道冒険物語! - コロッケ!の感想

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コロッケ!

5.005.00
画力
3.50
ストーリー
4.50
キャラクター
4.50
設定
4.50
演出
3.00
感想数
1
読んだ人
1

笑いあり、涙ありの王道冒険物語!

5.05.0
画力
3.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
設定
4.5
演出
3.0

目次

私とこの作品との出会い

私には3つ年上の兄がいます。兄は小学四年生くらいのときだったかと思いますが、学校で流行っていたのでしょうか、コロコロコミックをよく読んでいました。その影響でか、私も幼い頃からコロコロコミックを読みつけていました。その頃に連載されていたのがこの樫本学ヴ先生、通称カッシー先生のコロッケ!です。その当時、この漫画は大人気でアニメ化、さらにはゲームも多数発売されており、私はこのアニメを毎週かかさずに兄と一緒に見ていたのを覚えています。そしてはじまるたびに、これからどうなるんだろう、どう切り抜けていくんだろうとドキドキしていた記憶があります。

気になるその内容とは・・・

コロッケ!の大まかなあらすじを書きますと、主人公であるコロッケが幼い頃に殺された父親を甦らせるために、集めればなんでも願いが叶うとされている禁貨と呼ばれるコインのようなものを集めるというものです。その旅の途中主人公コロッケは、同じものを集めるバンカーと呼ばれる仲間や敵と出会い、そのなかで様々な事を発見し、成長していきます。まさに王道中の王道の冒険ものといったようなものですよね。そしてこの作品には、コロコロコミックらしく小学生低学年向けの少々お下品な逆が多々出てきます。例えばよく出てくるところでいえば、うんちやおしっこ・・・。シリアスなシーンでも突然サクッとこうしたギャグをいれてくる辺り、さすがだな、と思います。

私の思うこの作品の魅力

さて、ここまで私がこの作品に出会った経緯から、この作品の大まかなあらすじ等について話をさせていただきましたが、今から私の思うこの作品の魅力について伝えていきたいと思います。それはコロコロコミックらしいギャグの裏に隠れた物語の闇です。先程述べた通り、この作品には多くのギャグ表現が使用されており、主人公の仲間を始め、キャラクターも個性的な者達ばかりです。しかしそれ以上に、シリアスなシーンも多いのです。おちゃらけたようなキャラクターでも、悪いやつでも、みな結構に重い過去を抱えているのです。例えば、あらすじのときに言ったように物語の冒頭、主人公のコロッケは幼い頃に父親を失います。父親は幼い主人公を庇って亡くなりました。そのライバルであり仲間でもあるキャラクターはとある国の王子なのですが、王国を敵に乗っ取られ、追放されてしまいます。これだけではまだありがちな感じもありますが、この作品では敵味方問わずキャラクターの過去を振り替える場面が多くあり、子供向けらしからぬような読んでいて胸がぎゅーっと締め付けられるような重い展開も待ち受けているのです。私個人の見解では、強大な敵であればあるほど、重く辛い過去を背負っている印象を受けます。そしてそれがすれ違い、気付いた頃にはもう遅く、それによって失ったものを取り戻すため、戦い、傷つけあい、奪い合う。もちろんキャラクターの過去の話以外にもシリアスな展開はあり、仲間同士が傷つけあったり、助けたはずが二人とも餌食にされたり、家族同士で本来ならば不必要であったはずの、望まぬ戦いをし、互いに命を落とすこともあります。ちょっと間違えれば、鬱漫画にも分類されそうなレベルです。基本は明るい雰囲気でギャグもあり、最後は気持ちのよいハッピーエンドで終わるので、そういうこともないですが。

私の思う作者の伝えたかったこととは・・・

樫本学ヴ先生はこのコロッケを通じて、他人を認め、許す心を子供達に伝えたかったのではないかと私は思います。もちろんこの作品には、勇気・友情・愛情などの要素も多く含まれており、そういったものも大いに学べると思います。しかし私は特に、この作品が敵について多く語られているところに目をつけました。この世の中に根っからの悪人なんていない、主人公のようにちゃんと人を見つめ、過去を認め、許すことが大事なのであると、読者である子供達に伝えたかったのではないでしょうか。このコロッケ!連載中、樫本学ヴ先生にはまだ小さいお子さんがおり、自分の子供に対するメッセージも含まれていたのではないでしょうか。自分の子供が漫画を読めるほどに大きくなったときに、自分のかいたこの漫画を見てもらい、主人公のように正義の心溢れる他人を許すことのできる強い子になってほしいと願いを込めているものだと私は思います。してキャラクター達の暗い過去は、当時私のようにこの作品を読んでいる子供達、さらにこれからこの作品を読むであろう子供達、そして愛しい自分の子供がこれからなにか辛いことに直面したときに、どう生きるかというメッセージが含まれているものと私は思います。物語では、過去に突き動かされ復讐など間違った方向に走った敵が登場します。しかし全てのキャラクターは新しい道をみつけ、その道を歩んでいきます。樫本学ヴ先生は、それも伝えたかったのではないでしょうか。

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