明るく楽しいファンタジー漫画です。
現代人に必要な「明るい」漫画
全体的にギャグ満載で明るい漫画なので、頭を使わずにただただ「面白い漫画」として読めます。作品中のナレーションやツッコミも昔懐かしのRPGを彷彿とさせるもので、子供の頃に戻ったような気持ちで楽しめます。作者の衛藤ヒロユキ先生はDJが好きということもあり、「楽しくいこうぜ」的な雰囲気を感じます。最近の漫画は設定が難しかったり、暗かったりという内容も多く、仕事で疲れた上に「漫画を読んで病む」ということも耳にします。ストレス社に生きる現代人には、このくらい肩の力の抜けた明るい漫画も貴重だな、と感じます。
ククリとニケの恋の行方
勇者様大好きなククリと、なかなか素直になれないニケの2人の関係性が本当に可愛いです。ククリにとっては、自分を外の世界に連れ出してくれた「勇者様」。ニケにとっては、ククリは最初はミグミグ族の生き残りの女の子で「かわいそう」「守ってあげなきゃなあ」位の感情だったと思います。しかし徐々にククリ自体に惹かれていき、たまにデレるニケがたまらなく可愛いです・・・!
普段はフラフラしているけれど、レイドが出てきた時だけ「ククリは俺のもの」ぶる勇者様。向こうが(一応)魔界のプリンスのため焦っているのでしょう。あと、個人的にはギップルがいい仕事をしていると思います。クサい場面になると必ずと言っていいほど邪魔をしてギャグに流してくれるので、変なやきもちやドロドロ展開がなく、いいバランスを保てているのだと思います。中盤になるとククリが嫉妬して悪魔になってしまいますが、それもアラハビカ編のクライマックスに向かう一部なので、個人的には問題ありませんでした。最後は告白成功しますが、最後まで便意>>>告白の勇者様はさすがだと思いました。
ギャグのセンスが抜群
全体的にギャグは少年向けでしたが、作者様のセンスが抜群のため大人になってから読んでも普通に笑えます。ド直球で笑わせてくれるものが多かったです。「ザムデイン!!!(祖父の名前)」「なぜオヤジの尻を見ない!」「ただし魔法は尻から出る」「脇の下でおにぎりを・・・」など、迷言は数えきれないほど。グルグルを読んだことのある人なら絶対共感してくれるはず!!やっぱりシンプルな言葉でも面白いものは面白い、あと、下ネタはやっぱり楽しいと再認識させてもらいました。大人になってから読むと、キタキタ親父の不憫さとレイドの当て馬っぷりが癖になります。(笑)
作品後半は内容が変化
内容的には中盤のアラハビカ編がピークだと思います。その後は絵柄も変わり、やたら新キャラが出たり消えたりして、内容が定まらずに迷走している感があるのが残念です。個人的な意見ですが、魔王ギリは倒さずにアラハビカで完結しておけばよかったのでは・・・。とはいえ、漫画もアニメも続編が制作されるほどなので、多くの人に愛されている作品であることは間違いないと思います。
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