のんびりとしたギャグで心底癒されます - しろくまカフェの感想

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しろくまカフェ

4.374.37
画力
4.83
ストーリー
4.17
キャラクター
4.87
設定
4.27
演出
4.33
感想数
3
読んだ人
4

のんびりとしたギャグで心底癒されます

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

目次

様々な動物たちが繰り広げるギャグが秀逸!

動物園でお馴染みの動物たちがメインで、動物好きにはそれだけでもたまらない作品だと思います。シロクマくん・パンダくん・ペンギンさんトリオの掛け合いは毎度見事で、パターン化と言われようと何度でも笑えます。この3人の語彙はいったいどうなっているのやら。彼らの掛け合いをいくつも見ていればそれだけで自分の語彙が増えるとも思えるほどです。ためしに彼らと同じようなギャグをできないかと家族で挑戦しました。これがなかなか難しい。彼らは聞き間違いといって3つは軽く似たような言葉を出してくるのに、実際に真似てみると全く出てきません。これはボケないように脳トレとして使えるのではないかと我が家の一大ブームとなりました。またそういった言葉遊びだけでなく、動物の生態を表現してギャグにつなげるという素晴しさもあります。特に私はナマケモノさんが大好きで、あのゆっくりのんびりのキャラクターがたまりません。確かにナマケモノは1日の大半を寝て過ごしますから、どう表現したってあれくらいまったりとしたキャラクターになりますよね。でも作中では現実ではありえない程頑張っているナマケモノさんが見ることができて、いつも必要以上に応援してしまいます。1話丸ごと使って、ようやく完成するナマケモノさんの頑張りの落ちがたまりません。ほぼ目標が達成できないナマケモノさんは存在自体がギャグです。ですが、その目標に対する不完全燃焼よりもナマケモノさんの努力が伝わる1話がとてもかけがえのない物に思えます。本来の努力のあり方を思い出させてくれますね。

肉食と草食とかも関係ない。

様々な動物が出てくるので、小さな子どもにも勧めたいシリーズです。しかし肉食動物と草食動物が仲良くしているところは混乱しそうですよね。魚は切り身状態で海を泳いでいると思っている子どもが増えてきたそうですが、同じ勢いで肉食・草食関係なく仲良く過ごせると信じ込んでしまえそうな作品です。この仲良し感は現実では間違っていますが、それでも多くの人に紹介したい程魅力的なものですね。グリズリーさんの人の良さなど、真似したい・見習いたい部分が多くあります。現実であっても本能的に苦手であったり嫌いである相手がいるものですが、この作品の動物たちのように和気藹藹とできるなら素晴しいと思います。何より彼らは一人一人を尊重しています。人間だと同じ種族だからと見過ごされそうですが、それぞれの個性を大切にして否定することなく肯定的に接してあげられるというのは、それだけで尊いものだと思います。誰かが何かをできなくても「しかたないよね」で済ませてあげられる心の広さは見習いたい部分の一つです。この作品を読むと、自分の心の狭さや余裕のなさが浮き彫りになります。もっと他人に寛容になるべきだろうと思えます。時には自分にも寛容になるべきではないかとも。喧嘩をしてもすぐに仲直りできるその絆の深さを、現実でも育んで行けたらいいと思います。小さな動物も大きな動物も、肉食・草食・雑食関係なく仲良くできているという夢のような状況ができるしろくまカフェは本当に理想形だと思います。

人間社会と動物社会

この作品は動物主体ですが、人間の登場人物もいい味を出していますね。動物たちに思われ、動物たちを思う良い関係が気づかれていると思います。動物側からみる人間社会は煩雑で、もっと楽に考えて生きたらいいじゃん?って思わせます。人間側から見た動物社会はそんな簡単でいいのかな?という感じですね。間をとった場所で生きていられたら楽なのかもしれませんが、そうもいかないということを感じられます。よく鳥や猫や犬になりたいと思ったりもしますが、このカフェに来る動物を見ると考え直してしまうほどです。ヒガアロハさんが描く動物たちはただギャグで終わることが無いからです。シロクマくんたちの過去の話などが出てくると、自然界の厳しさに思いをはせずにいられません。最終的にギャグで落ち着かせてもらえるので後味よく終われますが、動物社会を考えさせられると同時に人間社会の在り方も考えてしまいます。作中の動物たちは優しさに満ち溢れていて、相手を思いやることにためらいがありません。また、うまく周囲に甘えることもできています。現代の日本で、どれだけの人が彼らのように生きていけているのかと思います。助けを求めることもできず、誰かを助けようとしても躊躇ってしまうことが私の身近には多くあります。時には作中の動物たちのように<これが自分だから>と胸を張って主張することも大切でしょう。多少はパンダくんのように自己中心的になることも必要でしょう。これは人間社会の辛さに押しつぶされそうな時に読んで癒される作品です。そして癒されるだけでなく立ち上がるための力にもなると思います。たくさん笑えて、元気をもらえます。そしてあらゆるキャラクターから素晴しい特性や前向きさを少しずつ受け取って明日を楽しく迎えられます。

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