ゆとり世代の良い面も悪い面も面白おかしく描かれています - ゆとりですがなにかの感想

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ゆとりですがなにか

4.754.75
映像
4.50
脚本
5.00
キャスト
5.00
音楽
3.50
演出
4.75
感想数
2
観た人
3

ゆとり世代の良い面も悪い面も面白おかしく描かれています

4.54.5
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
3.0
演出
5.0

目次

リアリティがあってとても面白い

私はゆとり世代ではないのですが、長年、ゆとり世代の年下と仕事してきました。第一話から、本当にわかるわかる!そんな感じ!といったところが多く、本当に共感できるドラマです。

細かいシーンひとつひとつとっても、ゆとり世代の人たちが、私たちの世代ではありえない態度をとるところや、上司のコメント「これだからゆとりは!」と言いたくなることが本当に多くあって、とても共感が多かったです。

例えば、きちんと敬語が使われていないところ。自分たちは、使っているつもりなのだとは思うのですが、きちんとした敬語になっていません。よく、「ですね、ですです」と言うシーンが出てきましたが本当にあるあるでした。あと、話し中の上司の間を平気で横切ったり。細かい所ですが、イラっとするようなシーンがところどころにさりげなく使われていて、本当に共感できました。

ですが、2話、3話と続くにつれて、ゆとり世代の良いところが少しづつ出てきます。悪い面が多く取りだたされているゆとり世代をおもしろおかしく、愛すべきキャラに仕上げているところがとてもよかったです。実際にゆとり世代の人が見てもタイトルとは裏腹に、嫌な気分にならないどころか、共感する部分が多いドラマだったのではないかと思います。

正直私はこのドラマを見るまで、ゆとり世代=常識がなってない、マイペースで輪を乱す、怒られたら反省せず、打たれ弱くて扱いにくい。。。等々マイナスイメージばかりだと思っていましたし、実際にそう思う体験も良くしてきました。ですが、ドラマを見てから、「ゆとり世代だからこそ」の部分も見える様になって、人生観も変わったくらいです。

キャスティングが最高

出ている俳優の人たちもとても演技力が高く、本当にドラマの中に入り込むことができました。そもそも脚本家のクドカンさんが好きで見始めたところが大きかったですが、出演している俳優の方々も本当に演技が上手。リアルを見ているような気分になれました。

今まで好きではなかった俳優さんもいたのですが、このドラマをきっかけに本当に一人の人として、愛着が湧く様になり、このドラマに出ていた俳優の人々もみんな好きになりました。

あと、今まで有名ではなかった俳優さんや女優さんも最近ではCMでみかけるようになり、とても印象が良いと思っています。

二枚目しかしないような俳優さんが、少しダサイ所や、ダメな部分を持つ人間の役を上手に演じていて、さらに愛着もわきましたし、親近感をもてるようになって、好きな俳優の幅が広がりました。

特に印象がガラリと変わったのが、茜ちゃん役の安藤サクラさんと山岸役の太賀さんです。二人とも本当に演技が上手で驚きました。安藤サクラさんはキャリアウーマンでテキパキなんでもこなす所。人手が足りなくて、焼き鳥を焼くバイトをしても完璧にこなす所がとても面白かったです。それでいて、女の子の面もあり、結婚と仕事との間で揺らぐ女心も本当に共感できました。頼りない彼氏のまーくんに引っ張って行って欲しいけど自分の方が何でもできてしまう。そんなゆらゆらとしたアラサ―の葛藤がとても良く表現されていたと思います。

太賀さんも、本当に見ていて腹が煮えくり返る程憎たらしくなるような気分になりました。そう思わせる程演技力が高いのだと思います。はじめのほうの回では、イライラーとするシーンだらけでしたが、最後の方になると、愛着のわく登場人物の一人に。先輩からの注意を受けながらツイッターを上げる所や、会社を辞める連絡をLINEでする所など。憎たらしさが満載でもとても面白かったです。

何度も繰り返し見てしまいます

このドラマは、本当に細部までリアリティが込められていると思います。なので、一度見るだけでは本当に物足りず、何度も何度も繰り返しみてしまいました。

思わぬところで人間関係やストーリーが繋がったりもするので、2回目見ても、3回目見ても面白く、笑えるようなシーンもとても多かったです。

最終的にめちゃくちゃやっていた、まりぶが留置所から出てきて、親父となぐり合うシーン。まりぶも泣きながら「子供は親を選ないんだから」と訴えるシーンも、泣きそうになりましたが、親父がまりぶに抱き着こうとすると思い切り殴りつけるような、感動と、笑いが絶妙に交差するシーンも本当に見ものだなと思います。感動を打ち消す様に笑いに変えてしまうような部分もクドカン脚本で大すきな所でもあります。

まりぶの奥さんと子供や家の雰囲気も、リアリティがあって面白かったですし、赤ちゃんのかわいさにも癒されました。

本当に主人公をはじめ、出演者ひとりひとりに愛着がもてる、楽しいドラマでした。久しぶりに毎週ドラマの日が楽しみになるような。一週間の楽しみになるような、そんなドラマだったと思います。

私はできれば、週に一回ではなく、まとめてドラマを見たい主義だったのですが、このドラマは毎週の楽しみとしてとても楽しみに見ていました。

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「ゆとりですがなにか」は何を伝えたいドラマだったのか―タイトルに込められた想いとは?―

宮藤官九郎が脚本を書いたドラマ「ゆとりですがなにか」は実に魅力の詰まった作品である。今回は、その魅力と共に本作が何を伝えたかったのか、考察したい。主役から脇役まで抜け目のない、多彩な登場人物達本作には個性豊かなキャラクターが多く登場する。後輩に振り回される上司の正和はじめ、結婚したいキャリアウーマン、就活中の大学生、風俗店の勧誘、妊活中の夫婦、童貞…。ざっと挙げてみても多種多様な所属の人々であり、これらの人々が作中で絡み合いながら、波乱を起こしたり、繋がったりしていく様を見るのはそれだけで面白い。ここで着目したいのは、あえて、それぞれが抱えている課題にスポットライトを当てて描かれている、という点だ。課題とはなにか。答えのわからないもやっとした気持ち、正しい道を選べているか、ときに間違ってしまう人の姿…本作では、これらが丁寧に描かれているように思う。え?そうなっちゃうの?と少し驚くような...この感想を読む

5.05.0
  • 海里海里
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